★ネタバレ★~「ダークナイト」~「ヒーローは報われない・・」の段 | 思い入れ★ホームシアター★日記

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わ~い。ついに我が家にホームシアターが・・
6.1ch 80インチスクリーン。
その驚きの臨場感!!近所の皆さんごめんなさい。m(_ _)m

なんだか、日本では余りヒットしていない模様。

公開前にマスコミで取り上げられた内容っていうのも
ヒース・レジャーの怪演やら、クリスチャン・ベールの
暴行疑惑ってなことばかりだった。

でも、この映画ほんとスゴイ!

夏場にスカッとするアクション映画みたいならおすすめでは
ありませんが、ノーラン監督作品の大ファンである私にとって、
これは、上半期ベスト1とも言える作品。

さすが、ノーラン。
誰も文句のつけられないお金をかけたアクション大作
なのに中味は
”人間の内面”に真っ向から向き合った人間ドラマ
素晴らしいです。

前作、「バットマンビギンズ」のテーマは、幼い頃にうけた
心の傷を孤独の中、どうやって克服し力に変えていくかに
あったが、今回は、人間の心に潜む”善”と”悪”。

世紀の悪党、ジョーカーは、人間の深層に潜む”悪”に
ゆさぶりをかける”悪魔”。
その悪魔に、主人公であるバットマンと地方検事デントは翻弄される。

善と正義の象徴であるはずのデントが正義の味方が一転して
悪に染まる構図が実にうまい。

最愛の恋人を殺され自らも重傷を負わされた怒りは、本来なら、
自分の不幸を招いたジョーカーにそそぎこまれるはずである。
それが、何故か、ターゲットは、善良な警官に向けられる。

「自分は、大事なものを失ったのに、何故、幸せに暮らしている
家族がいるのだ。」

という発想なのである。
でも、これって、怖いけれど土壇場の人間の深層心理なのかなとも
思う。

その他、主人公に、『恋人』か「HERO』かの究極の選択を
させたり(ここが、またすごいの。究極の選択の末に、ジョーカーの
悪魔のような罠がまっているんだもん)、極悪囚に人間の良心を見させたり、
悪魔に心をもてあそばれ、人間が”良心”を問われる仕掛けが満載である。

そして、終始報われないヒーロー、バットマン


”正義の味方”がいつのまにやら街に”悪がはびこる元凶”のように
言われて、最後には、警察官殺しの悪名を一手に引き受けての
”ダークナイト”の誕生。

しかも、最愛の恋人に、実際はふられてるのに”自分は選ばれた”
錯覚を生きるよすがにするなんて、かわいそうすぎ・・。


そんなかわいそうなバットマンを前作ビギンズに引き続き、
クリスチャン・ベールが地味に好演している。


今回の来日インタビューでも、主役なのに、ヒースレジャーの事ばかり
聞かれて、気の毒ったらないよ。

でも、一生懸命答えていて、ほんといい人だな~と思った。
もちろん、DV疑惑も不起訴に終わったしね。

犯人扱いしていた”めざまし”のキャスターたち。謝罪すべし。

そして、当然の事ながら、今は亡き、ヒース・レジャーの切れっぷりは、
うわさどおり半端ではない。
えんぴつのマジックに始まって、相手によって毎回言うことが違う
口が裂けるいきさつやら、かわいい看護婦姿やら、見どころは
満載である。

そして、そして、
モーガン・フリーマン、マイケル・ケイン、
ゲイリー・オールドマンと脇が贅沢すぎる。
何でも、次作は、ゲイリー・オールドマンが悪役で登場とか。
パンフでは、

『ノーランは、自分を悪役ではない役で使ってくれてうれしい』

なんて、本人のコメントが書いてあったけれど、いい役ではやっぱり
ストレスがたまるのかな?


次作は、ジョニー・デップがリドラー役をやるなんて、話しも
あるみたいだし、またまた期待大である。

「バットマンビギンズ」の感想