旅は真の知識の泉である | 学生団体S.A.L. Official blog

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慶應義塾大学公認の国際協力団体S.A.L.の公式ブログです。

インターネットが普及している今、どんな情報でも手に入れられる。
マウスの1クリックだけで、そこには無限の世界が広がっている。

しかし、インターネットの情報は真の知識なのだろうか。

カンボジア滞在期中に、ある学生に尋ねられた。
「雪は本当に冷たいの?」

そんなことは科学的にも証明されているが、熱帯雨林気候に住む彼らはその実態を知らない。

「旅は真の知識の泉である」
これはイギリスの政治家、ベンジャミン・ディスレーリの言葉である。
そして今回の私たちのカンボジア訪問におけるテーマでもある。
旅に出て、自分の目で観て、耳で聴き、鼻で嗅ぎ、口で味見し、肌で感じて、初めて真の知識は得られるのである。

雪は冷たいのかと尋ねた彼は、熱帯雨林気候に住むため本当の雪を知らない。
そして、発展途上国に住む彼は、一生雪に触れることはないだろう。

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グローバル社会が叫ばれている今、これほど「経験」に格差があっていいのだろうか。
世界を見る機会、経験が少ない発展途上国に住む彼らは、いずれ互角に先進国と競合していけるのだろうか。

今の先進国による一方的な物資や資金の支援だけでは、それは難しいだろうと思う。

慶應義塾大学の国際問題啓発団体S.A.L.から発足した「Experience Japan」プロジェクトは、カンボジアで日本語を学ぶ優秀な学生たちに、「日本を体験してもらいたい」という願いから立ち上がった。

これからは、彼ら自身が自分の足でカンボジアから出て、世界を観なければならない。
彼らがカンボジアの未来を客観的にみて、本当に必要な国の発展を彼ら自身で考えなければならない。

このプロジェクトが、日本語を学ぶ彼らにとって、世界に飛びだして自国を見つめなおす第一歩になることを願っている。そして私たち自身の為にも。

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旅とは、出発して帰国したら終わりではない。
旅で感じたことを未来に活かすことにこそ、旅の真の意味がある。

今回私たちがカンボジアに滞在した約2週間のうち、4つのNPO法人の団体にお話を伺い、お世話になった。

地雷撤去を行っている「CMC地雷撤去キャンペーン」。
孤児院、小学校、地方の村などを支援している「Make the Heaven」。
カンボジア教育相などと教育支援をおこなっている「CIESF」。
椰子の葉工場で女性の雇用機会を増やしている「かものはしプロジェクト」。

いずれの団体も、始まりは一人の人が世界に旅に出て、インターネットで得た知識ではなく、カンボジアの現状を目の当たりにしたからこそ、助けたい、力になりたいと感じて、立ち上がった。そして、今では多くのカンボジア人の笑顔、生活、命を救ってきたし、これからも救い続けるだろう。

カンボジアから日本に来る学生たちも、Experience Japanを通して、何かを感じ取り、変化を起こしてほしい。

一緒に、起こしたい。

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2013年2月に、タヤマ実践カレッジプノンペン校の学生たちを日本に招待する。
私たちが今回カンボジアに向かい、タヤマの学生たちが真心こめてカンボジアを案内してくれたように、私たちも全力でプロジェクトを遂行しなければいけない。

学生たちが来るまでに、日本人として、今一度私たち自身も客観的に日本の未来について、そして本当に必要な進化について、どんな日本を世界に魅せたいのかを考えていかなければならない。

日本滞在の経験が、真の知識の泉として彼らの胸に届くように。

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参考URL:
タヤマ実践カレッジ:http://www.tayamacollege.com/index.html
CMC地雷撤去キャンペーン:http://cmc-net.jp/
Make the Heaven:http://maketheheaven.com/
CIESF:http://www.ciesf.org/
かものはしプロジェクト:http://www.kamonohashi-project.net/

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【文責:イベント局3年・Experience Japan 代表 塩月ゆかり】