縄文時代の日本人の人骨を調べると、

世界の考古学者が驚く数字があります。


それは、「暴力死亡率」が1%程度しかなく

欧米やアフリカ大陸の同時期の人骨では

10数%が「争いによる死亡」という事実からすると

「奇跡的に少ない」数字なのだそうです。


日本人の祖先は何千年も前から、

争い事を嫌う「平和主義」であったということなのでしょう。


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今年のプロ野球の一つの話題が「コリジョンルール」

走者が本塁突入時、捕手がホームベースを隠すことを

禁止したルールです。


これは、本塁でのクロスプレー時、走者が捕手に

体当たりし、大怪我に繋がる事が多いことから

お互いの身の安全を図る意味で、メジャーで

導入されたルールを適用したものです。


本塁に限らず、メジャーでは多くの選手たちが

塁上の衝突で大きな事故となり、中には

選手寿命にかかわる怪我をする人も

出てきていました。


日本で活躍した内野手や捕手が、メジャーでなかなか

育たないのは、「塁上での激しいプレーに

対応できないから」という評論家もいました。


現に、西岡・岩村・城島といった名選手が

大きな怪我をさせられ、夢破れて帰国した

過去を思い出される方もおられるでしょう。


メジャーでは、こうした素質豊かな選手たちを守る

意味もあり、こうしたルールが取り入れられる

ようになりました。


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一方、日本人はこのようなルールがなくても

それほど激しくタックルをしない傾向が強く、

比較的「フェアな」野球をやっていました。


有史以来の日本人の「平和主義」の精神文化が

根底にあるのかもしれません。


このフェアプレー精神は、投手の制球力や、

野手の守備力と並び、

世界中から尊敬を集めた日本の野球道の

「誇るべき伝統」の一つでもあったと思います。


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先週末、東京ドームで行われた日本ハム・ソフトバンク戦

1点を争う終盤、日本ハムの田中賢介選手の

川島内野手への併殺崩しの激しいスライディングが

物議をかもしています。


川島内野手は、靱帯を損傷し登録抹消。

監督の猛抗議の後、球団はNPBへの

「危険走塁防止」の意見書提出となりました。


石山塁審「ルール上、問題ない」

田中選手「あれは併殺崩しの普通のスライディング」

栗山監督「チームのためにやったこと。私は誉めたい。」

ダルビッシュ投手「メジャーではもっと危険なスライディングもある」


確かに、彼らの言っている事は「ルール上、正しい」のでしょう。


しかしながら、日本であのプレーは

やはり、見たくないものです。。。。。



井崎