次女が小学校3年生・三女が1年生の時、

近所の少年野球チームに入りたいと言い出しました。


チームの中で唯一の女の子でしたので

監督やコーチに色々迷惑をかけると思い

私も、土日に行われる練習のお手伝いに行くことにしました。


・・・・・


監督は、とても厳しい人で、練習でびしびし子供を鍛えます。

口も悪く、

「馬鹿やろう、そんな球も捕れねえのか!」

「野球なんか、やめちめえ!」

「お前にはがっかりしたよ!」


強烈な叱咤激励を次々に浴びせかけます。


試合でも、二つミスをすれば直ぐ交代・・・

高学年のレギュラークラスでも、エラーすると直ぐ下げてしまいます。

ある時などは、6年生の二塁手に代えて、3年生のうちの娘を出したり。。。


戦力は当然落ちますので、試合後半逆転負けすることがよくありました。

チームの勝利を優先させるなら、レギュラーをそのまま使うのでしょうが

ミスをしない選手を育てたかったのでしょう。

この方針を貫きました。


・・・・・


高学年の親達には、監督への不満がくすぶって行きました。


「ばかやろう”!」

「お前を信じた俺が馬鹿だった!」

「はやく、死んでしまえ!」


親が見ている試合中でも、子供達を激しく叱り続けます。。。


ある日、親達の不満は爆発。

チーム創設者でもある総監督の下に

レギュラークラスの高学年の親達が結束して押しかけ

「監督を交代させて欲しい。

 そうでなければ、レギュラー全員やめさせる。」


総監督に決断を迫りました。


監督の「勝利よりも育成」の方針を支持していた総監督も

間に立って、困惑の表情を示されます。


雰囲気を察知した監督・・・

自ら身を引く決意をされました。


・・・・・


翌日、選手を集めた監督は「最後のノック」を始めました。


鍛え抜かれたレギュラークラスに、右へ左へ

次々と速射砲のようにノックの打球を放ちます。

子供達もキビキビ動き、いつものように

芸術品のように美しいシートノックが行われました。


ノックの後、選手達は監督の前に整列。

何人かの選手は泣いていました。


「お前らの今後の人生のなかで

 強い敵が現れることもあるだろう・・・

 しかし、どんなに敵が現れても、

 絶対に気持ちで負けたらだめだぞ。

 苦しい時ほど大きな声を出して

 『持って来い』と球を呼ぶんだ。

 頑張れよ・・・」


最後の訓示を聞いた選手は、

「ありがとうございました!」

今までに聞いた事のないような大きな声で

監督に挨拶しました。


「やれば、出来るじゃないか・・・」


監督は、目を真っ赤にして去っていかれました・・・・


・・・・・


子供達を叱れなくなった今の日本・・・


こんな熱い指導者をもっと大切にしたいものです。。。。。




井崎

【完全成功報酬型営業代行 株式会社セールスジャパン