能力不足の社員にうまくやめてもらう方法① | 労働基準法の解説ー休憩時間、労働時間、解雇、退職、残業など

能力不足の社員にうまくやめてもらう方法①

 いつもブログを読んでいただきありがとうございます。


 新年早々、こんな話題で恐縮なのですが、「能力不足の社員をどのようにして退職させればいいか」というのは経営者の悩みの種の1つです。本日もご相談がありましたが、お悩みの経営者の方も多いと思いますので、今日はこの点について書こうと思います。

 

 もちろん、能力不足の社員を、すぐに無能だと決めつけないで、辛抱強く指導、教育することは必要です。

 しかし、どんなに指導、教育しても、同じミスを繰り返す、成績があがらないという場合、そのまま彼(彼女)を職場においておくことは、ほかの社員のストレスになってきます。結果として、職場の一体感、連帯感が失われ、会社全体の士気に影響してくるのです。


 では、能力不足の社員にうまくやめてもらうにはどうすればいいのでしょうか。


 「退職させたいからといっていきなり解雇してはいけない」 「まずは退職を勧めて従業員に納得して、退職願を書いてもらって退職してもらうことをめざさなければならない」ということはこのブログでも何度か書きました(詳しくはhttp://ameblo.jp/sakuyakonohana-law/entry-10622385821.html をご参照ください)


 では、従業員に退職を勧めて退職願を書いてもらうにはどうしたらいいのでしょうか。


 本人の能力不足が原因とは言え、経営者にとってはなかなか切り出しにくい、言いにくいことです。


 退職をうまく勧めるのに注意しなければならないことは3つあります。


① 一度決めたら素早く退職の手続きを進め、対象の従業員を会社に長居させないこと 


② きちんと資料に基づいて理路整然と退職を勧める理由を説明することにより、不当に退職を勧められたとい

 う印象を与えないこと


③ 解雇されるより自分から退職したほうがメリットが大きいということを従業員によく理解してもらうこと


の3つです。


 今回はまず最初の1つ目についてお話ししたいと思います。


 ①の「一度決めたら素早く退職の手続きを進め、対象の従業員を会社に長居させないこと」は、会社の団結、一体感を維持する上で非常に重要です。


 問題の社員に対し一度退職の話を切り出すと、やけくそになり、その社員が同僚に対し、「社長は血も涙もないやつだ」とか「いよいよこの会社も危ない。次はおまえらが解雇されるぞ」とか言いふらしかねないということは考えておかなければなりません。

 このような場合、問題のない社員の団結まで壊されかねません。


 そこで当事務所でおすすめしている方法は金曜日の午後に退職の話をする方法です。

 金曜日の午後に問題の従業員を呼んで退職の話を切り出すのです。

 ここで大事なことは、「来週月曜日までに退職するかどうかについて返事をください」と明確に伝えておくことです。

 

 そうすると従業員は週末に家族と話しをすることができます。

 また、何よりも対象の従業員が同僚らに会社の悪口を言いふらしたりすることを最低限に食い止めることができます。

 

 そして、月曜日に退職願に押印してくれればそれでよし、押印してくれなければその場で解雇してしまうことをお勧めします(この場合の解雇予告手当についてはまた後日書きます)。


 一度退職させると決めたら、その社員と同僚が接触する機会をできるだけ減らすようにするというのが鉄則なのです。


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