村上春樹の『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』ではないが、政界では『色彩を持たない安倍晋三と、彼の巡礼の年』が展開されているようだ。

第1次安倍内閣では、色彩をもつ赤城徳彦、塩崎恭久、松岡利勝の赤、白、緑の3閣僚に足を引っ張られたため、第2次内閣では日銀総裁、白川方明を最初から下ろしてしまった。

代わって黒田東彦を日銀総裁にもってきて、アベノミクスを推進させたのだが、この巡礼の旅は成功したようだ。

どうも色彩的に見ると、白より黒の名字のほうが圧倒的に優勢だ。白のつく有名人といえば横綱白鵬しか思い浮かばない。これに対し、芸能界だけでも黒澤明を筆頭に、黒柳徹子、黒木瞳、黒鉄ヒロシが浮かんでくる。

ほかにざっと挙げるだけで、戦国時代の謀将黒田長政、画家の黒田清輝、建築家の黒川紀章、メジャーで活躍する黒田博樹投手などなど・・・中堅クラスでは大黒摩季から黒田アーサー、黒谷友香、石黒賢などもいる。

念のため赤と青を調べると赤が優勢で青は少ない。どうも色彩をもつ名字としては、黒が断トツのトップだ。色彩で人間を判断するのはよくないかもしれないが、現実には「黒」が最優秀であることは間違いない。

もしペンネームや芸名をつけるとしたら、私は「黒」をすすめる。安倍首相がそれを知っていたかどうかはわからないが、黒田姓を日銀総裁に据えたのは成功だ。

一言つけ加えるならば、「黒」姓の人は、長くその地位を保ちつづけるようだ。

櫻井秀勲Facebook