U-NEXTで『流浪の月』を観ました。

(2022年5月公開)

 

夕方の公園、雨に濡れた10歳の更紗に19歳の大学生・文が傘をさしかけるところから始まる。

引き取られている伯母の家に帰りたがらない更紗の意を汲み、

部屋に連れ帰った文のもとで更紗は2カ月を過ごすことになるが、

やがて文は誘拐罪で逮捕されてしまう。

それから15年後――。

いつまでも消えない「傷物にされた被害女児」と「加害者」という烙印を背負ったまま再会を果たした、

更紗と文にしか分からない150分に及ぶ愛の物語。

 

 

『流浪の月』 凪良ゆう | to enjoy life… (ameblo.jp)

 

 

文を松坂桃李さんが演じられるというのが意外でしたが

 

まさしく、文でした。

 

文を演じるために減量し、撮影に使われたアパートで寝泊まりもしたそう。

 

これが「ゆとりですがなにか?」の松坂さん?

役者魂を見せつけられたって感じでした。

 

 

 

U-NEXTでは、

李相日監督と編集の今井剛さんのトークと

未公開シーンが出てくるんですが

 

・だるまさんが転んだ(10歳の更紗が同級生と公園で遊ぶ様子)

・文の大学生活の様子

・文と再会する前、更紗の日常

・亮が、更紗の大切にしているバカラのグラスを割るシーン

・ファミレス店長が、更紗にやさしさを見せるシーン

・アンティークショップのオーナーが、文にコーヒーを頼むシーン

・更紗と梨香が、公園であひるボートに乗るシーン

・更紗が梨香の髪を結い、梨香がここでずっと暮らしたいと話すシーン

・列車に乗って、旅立つ2人

 

この未公開シーンが、貴重なものばかりで

 

撮影って、脚本に沿って進行していくんだろうけど

編集の段階になると、また新たに作る作業が始まる。

 

最初に編集された映像は、4時間にも及んだらしい。

それを、削って削って削って…

最終的には150分に。

 

 

私、本当は映画を観ながら

暗いし、重いし、鬱々としてくるので、

長いな…と感じていたけど

 

この未公開シーンを見ると

最初からもう一度観たくなりました。

 

 

 

映画のラスト

calicoを後にした2人のその後は

 

惜しくも未公開となったけど

列車に乗って、旅立つ2人が微笑ましくて

どうかこの2人が、ささやかでも暖かい世界に出会えますようにと

老婆心ながら、祈りたい気持ちになりました。

 

 

でも、監督は

旅立つ2人の映像があれば

2人の苦悩が解決したことになるけど

幸せな2人の様子に余韻を感じなくなってしまった。

 

希望も残したいけど、解決はしていない。

余韻を大事にした、と言われてました。

 

 

 

さらに、

撮ることの意味合いって必ず生きていると思っている。

切ったシーンがあるから、残ったシーンに

ちょっとしたしぐさだったり、関係性だったり

必ず密度は残ってる。

何かしらいい影響を与えているという確信は

ありますね。

 

だから、ただの無駄なシーンではないということを

おっしゃられていました。

 

こんなに未公開シーンが充実している作品はそうありませんよ

ってことも。

 

 

この特別版を見られたことで

まだまだ私は浅いけど

もっと映画が好きになりそうな気がします。