凪良ゆうさん、4冊目

『流浪の月』読みました。

(2020/2/7 第4刷)

 

あなたと共にいることを、

世界中の誰もが反対し、批判するはずだ。

わたしを心配するからこそ

誰もがわたしの話に耳を傾けないだろう。

それでも文、

わたしはあなたのそばにいたい――。

再会すべきではなかったかもしれない男女が

もう一度出会ったとき、

運命は周囲の人を巻き込みながら疾走を始める。

 

 

 

 

周りには、浮世離れしていると言われたけど

お父さんのことが大好きなお母さん

お母さんと私を丸ごと包み込んでくれるお父さんの元で

更紗は最高に幸せだった。

 

 

病気で父は亡くなり、母は失踪。

突然ひとりになった更紗は、叔母に引き取られるが…

 

 

居場所を失った9歳の更紗が出会った大学生、文。

 

その2人が

 

誘拐事件を起こした小児性愛者と

呪縛から逃れられない哀れな被害者という立場にされてしまう。

 

 

更紗の真実の声は、大人たちに届かず、

 

加害者に洗脳されている「ストックホルム症候群」だと

間違った認識をされてしまう。

 

 

事件は、

ネットに流され、デジタルタトゥーとして残り続ける。

 

 

 

「事実と真実は違う」

当人同士に起こったことは、

明らかに周りで言われることとは違うのに。

 

 

真実が、他人の思い込みで捻じ曲げられていく。

 

 

自分が良かれと思っていることは

実際には、悪しきことになっている可能性もあるってこと

考えないとな…。

 

 

更紗と文が、どうなっていくのか、

このまま救いようがない結末を迎えるのか

 

気になって、気になって

早いペースで、読み終えました。

 

 

「ただただ、平凡で良かった」という文に

文が背負った、孤独と、嫌悪、羞恥…を思い

 

「ひとりの方がずっと楽に生きられる。

 それでも、やっぱりひとりは怖い。

 神様はどうしてわたしたちをこんなふうに作ったんだろう」

という更紗。

 

 

2022年に

広瀬すずさんと松坂桃李さんで

映画化されているので、観てみたいです。