ペットが活躍する本や映像を紹介するシリーズ
今回は、漫画「しっぽの声」の4巻です。
この漫画は、犬や猫を愛する者にとっては、非常に衝撃的な本なので、
新刊がでるたびにご紹介しちゃっています。
でも、衝撃的なだけではないんですよ。
物語としても非常に優れています。
一つの漫画としても大変な名作です。
さて、この4巻でも、ペットに関する闇が、これでもかと登場します。
劣悪な環境で犬猫を繁殖させ、しかもそれを傷つけて、保護犬・保護猫と偽って高額で譲渡し、その後もだまして高額な医療費を請求する保護犬詐欺。
譲渡会で引き取った保護猫を虐待して、その映像をSNSにアップする、里親詐欺というか虐待者。
崩壊した動物愛護団体やブリーダーから犬猫を引き取り、劣悪な環境に放置して死ぬのを待つ「引き取り屋」
飼い主に虐待され、全ての人間を恨み、凶暴となっているため殺処分しかない犬
小学校のうさぎ小屋で、うさぎが増えすぎた多頭崩壊。
心が痛むシーンが続きます。
しかし希望はあります。
2人の主人公、動物シェルターを運営する天原と、獣医師の御子神は、衝突しあいながらも、理解しあい、
強力なタッグを組んで、動物たちの地獄に踏み込んでいきます。
4巻でも天原の「待たせたな。助けにきたぜ。」というセリフは健在です。
このセリフのシーンには涙がでます。
そして、4巻では、御子神の成長が素晴らしいです。
命の責任、そして現実の厳しさを認識した御子神は大きく変わります。
3巻で、天原とケンカをした原因、病気で苦しむ猫達について、
引き取り屋の地獄の環境から救い出した後、自分で安楽死をさせる決意をします。
思わず、偉いじゃないか、御子神先生、と声をかけたくなります。
一方では、天原は、アメリカの浮浪児=ストリートチルドレン出身だという、衝撃の事実も明かされます。
ということで、2人の若者の成長があり、意外な過去がありと、非常に物語としても奥が深いです。
最高の名作です。
ペットを愛する人にはもちろん、
ペットに関係なく、漫画が好きな人なら誰でも夢中になる傑作です。
ぜひ大勢の人に読んで欲しい作品です。