ご報告が遅くなりましたが、予算特別委員会で質疑をした内容のその2です。

総務費の質問をする日に、災害対策について発言しました。

 

熊本地震のときに福祉避難所がなかなかうまく機能しなかったという課題があり、そもそも二次避難所としての位置づけは現実的なのだろうか…など、考えさせられました。(たとえば、こちらの記事をご覧ください。)

 

現状のしくみの中で、障害のある人やご高齢の人がもっと安心して避難できる体制をとるには、一般の避難所での受け入れ態勢をしっかりさせることが、福祉避難所におつなぎすることにもつながるのではないか、と考えましたので、その点を指摘しました。

また、現状の各避難拠点における取り組み状況については、改めて担当者に調査を依頼しているところです。

今後も議論を続けていければと思っています。

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(2017年2月21日の予算特別委員会にて)

(かとうぎ桜子)

避難拠点維持運営費に関連して伺います。

昨年の熊本地震で様々な課題が見えたかと思いますが、その中で福祉避難所が十分に活用されなかったという問題があります。

なぜうまく機能しなかったのかということを、私もいろいろと当事者の方にお話を聞いたりしながら検証していたのですが、福祉避難所は二次避難所として位置付けられているのでまずは一次の避難場所、練馬区でいえば99か所の小中学校の避難拠点に行かれなければ福祉避難所にもつながらないから、というところが大きな課題と感じています。

 

障害のある人は「一般の避難所では迷惑がられてしまうのではないか」ということであきらめてしまったり、実際に行ってみても現場の状況を見て避難所で受け入れが難しそうだと判断してお家に帰ってきてしまう場合も多いと聞きます。

 

以前、議会で福祉避難所の地域バランスを考えて箇所数を増やす必要があるのではないかというお話をしたときに、区としては福祉避難所の整備だけではなくて、避難拠点での受け入れ態勢も進めていきたいというお話があったかと思います。

避難拠点で要援護者対応をするということは、福祉避難所におつなぎするという意味でも重要な点になってくるかと思います。

まず、避難拠点における要援護者の受け入れ態勢の現状をお聞きします。

 

(区民防災課長)

避難拠点における要援護者の受け入れ態勢です。

避難拠点運営の手引きにおきまして、例えば耳の不自由な方ですとか、知的障害、発達障害の方には、必要に応じて別部屋を用意すると言った具体的な例をお示ししています。また、障害者の団体の方と合同で訓練を実施するという取り組みをしている拠点もございます。

 

(かとうぎ桜子)

区として、ガイドラインといった形で一定の考え方を示して、あとは避難拠点で実際に取り組んでいく。避難拠点それぞれで取り組んでいくことは、実際の時に役立つためにとても重要なことではあると思うのです。

ただ、一方で昨年障害者差別解消法が始まりましたので、災害時の対応においても行政として障害者差別の解消と合理的配慮の義務があり、今まで以上に行政としての対応が求められると思います。

まずそれぞれの避難拠点の取り組みを区としてきちんと把握し、どれだけ実際に対応できる状況になっているのか、まだ不足している部分があればそれは区として支援していくことができる部分があるかなど、検証していく必要があるのではないかと思います。その点についてはいかがでしょうか。

 

(区民防災課長)

各避難拠点におきましては、法が施行される以前から要援護者の対応について検討して、マニュアル化ですとか訓練を行うなど、すでに取り組んでいる状況です。

各拠点に対しましては、区の職員が会議ですとか、訓練といったものに参加して、避難拠点における課題については把握しており、区として運営連絡会の方からの助言などを通じまして、その課題解消に向けて取り組んでいる状況です。

引き続きこのような取り組みを進めまして、運営連絡会の皆様の声をじかに伺いながら、災害時に適切に対応できるように取り組んでまいりたいと考えているところです。

 

(かとうぎ桜子)

各拠点に関しては、それぞれ区の職員の方も関わっているので、それぞれ取り組んでいらっしゃるとは思うのですけれども。「全体像を把握する必要がある」というのは、障害のある方に対して周知をするという意味でも必要ではないかというように思います。

避難拠点で実際どのような取り組みをしているのか、まずは避難拠点に避難して安心なのだということを要援護者の当事者の方々に知っていただく必要があると思います。

そういった点―障害のある人たちに避難拠点での取り組みをお知らせしていく周知の方法は今どのようにやっているのでしょうか。

 

(区民防災課長)

災害時には障害のある方につきましても、まずは避難拠点のほうに避難していただくということになります。

避難拠点における要援護者への対応の取り組みですとか、福祉避難所につながる流れというようなものについては、防災の手引きですとか避難拠点運営の手引きで周知をしているところです。

このことに加えまして、防災学習センターで実施しております出前講座ですとか体験講座などにおいて施設に通われている障害者の方やその事業者の方々に対しまして、直接お話もさせていただいているところです。

今後も様々な機会を捉えまして、避難拠点における取り組みなどにつきまして周知をしてまいりたいと考えているところです。

 

(かとうぎ桜子)

熊本地震の状況もふまえて、また障害者差別解消法の観点からもさらに取り組みを進めていただきたいということを申し上げて、今日はこれで終わります。