鉄道駅のバリアフリーについては今までも何度か質問してきました(こちら

今回は、最近の状況を確認することに加え、視覚障害のある人への鉄道駅の安全について質問しました。

国は、利用者が1万人を超える駅については可能な限り速やかに内方線つき点字ブロックの設置を、10万人を超える駅についてはホームドアの設置をするようにという方針を出しています。こちら

点字ブロックには、点々のもの(点状ブロック)と、線状のもの(線状ブロック)があります。

線状のものが、歩行を誘導するもの。点々のものは、ドアの前やホーム・歩車道の境目など、注意を要する場所に設置されています。



(大泉学園駅の階段付近)





(練馬駅)



 
(石神井公園駅)



ホームを見ると、エレベーター、エスカレーター、階段付近などには線状のブロックもありますが、それ以外は基本的に、ホームのきわの点々のブロックです。だから、本来ならばそこを歩くと危ないわけですが、それ以外にホーム上で視覚障害のある人が安心して歩ける環境が十分でない。

そこで、先に書いた「内方線つき点字ブロック」ですが、点々のブロックの内側に1本だけ線がついている。だから、ホームの内側が分かるので、安全に移動できるということです。(上の写真にも内方線が見えます。)




(電車内から撮ったので、ガラスに映った私が入り込んでしまっていますが(^-^; 富士見台駅です。ここは、内方線がありません。)



ホームドアの設置を促進し、当面それができていない駅については、内方線つき点字ブロックを活用すること、またもう少しホームの真ん中に線状ブロックをつけられないのか、とか、駅員によるサポートの充実、音声案内等その他の方策がとれないかなども工夫していく必要があるのではないかと思います。いずれにしても、どういう方法が一番いいかは、当事者に聞く場を設ける必要があるという観点で質問をしました。


ちなみに、国交省のホームページで、ホームドアの設置状況を見ることができますので、ご参考までにご紹介します。こちら


以下、質疑の内容です。

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(かとうぎ桜子)

交通施設整備計画推進経費に関連して伺います。


区では、2012年度から2014年度まで、鉄道駅のバリアフリー調査をされていたかと思います。これは2014年度で終了し、2015年度はやっていませんが、調査が終了する際に、これまでの調査を踏まえて引き続き鉄道駅のバリアフリー化の働きかけをしていくということだったかと思います。

先ほど、ほかの会派の方から、光が丘駅や小竹向原駅の課題についてお話がありましたが、それ以外の課題も含めて、調査終了後の状況をまずはお聞きします。


(交通企画課長)

区は、これまで、エレベーターの設置状況や駅利用者の出入り口の経路把握など、鉄道駅のバリアフリーに関する調査を過年度実施してまいりました。

昨年度もエレベーターの状況等を聞かれておりますけれども、区では、機会あるごとに鉄道事業者へのさまざまな要請を行なってきております。

エレベーターの設置要望のほかにも、区民からの声を機会あるごとに鉄道事業者に対して届けているなどしてきています。

区のこうした取り組みもありまして、筆談器が設置されてはいるものの、「筆談器がある」ということが表示されていなかった大江戸線の各駅については、昨年度までに、こうしたことから設置ありの表示がなされたということで認識しています。



(かとうぎ桜子)

引き続き、さまざまな課題について鉄道事業者と一緒に考えていっていただければと思います。


また、これについてもほかの会派からもありましたけれども、都内で、先日、駅のホームから視覚障害のある方が転落して亡くなる事故がありました。こういった状況を、さまざまな方法でなくしていくことが必要かと思います。

まず、ホームドアの設置について、全国の状況や、また都内の現状がわかれば、ご説明いただけますか。


(交通企画課長)

平成27年度(2015年度)末時点で、ホームドアの設置がされている全国の鉄道駅における設置状況については、全国9500ほどある駅の中で665駅が、まず全国では設置されてございます。

都内は757駅ございますけれども、整備状況については正確なところはつかんでおりませんが、区内の鉄道駅で申しますと、9駅がすでに設置済みとなっております。


(かとうぎ桜子)

全国の状況をご説明いただきましたけれども、東京は混雑しているところも多いので、課題が大きいのではないかと思います。


区内は21駅中9駅という説明をいただきましたけれども、先ほどほかの会派とのやり取りの中で、設置の乗降客数の目安があるということでしたが、安全にかかわることですので、より積極的に取り組むべきであると思います。


ホームドアに関しては、自殺予防の観点からも積極的に鉄道事業者に働きかけていくという方針を出している自治体もありますので(こちら のP22参照)、練馬区としても、さらに働きかけをしていただければと思います。


そして、内方線のある点字ブロックが未設置の駅は、ホームドアのないところで5駅ということが先ほどほかの会派との議論の中であったかと思います。

駅のホームは、エスカレーター、エレベーター、階段の付近以外、視覚障害のある方が安全に移動できる方法がまだ不十分な部分があると思います。そういう意味で、当事者の意見を聞きながら安全性を高めていく必要があると思います。

当事者の意見を聞きながらの改善について、現状でどう取り組んでいるか、未設置駅のある鉄道事業者からお聞きになっていることがあれば、お聞かせください。


(交通企画課長)

区内においては、内方線つきの点状ブロックが設置されているのは、ホームドアが設置されている駅などを除きまして7駅となっています。ホームドアもなく内方線設置が進んでいないのは5駅でございまして、区は、これまでも設置について要請をしてきております。


(注:何駅なのか、というのが分かりづらいのでここで整理すると、

区内の駅数 21

ホームドアが設置されている駅 9

ホームドアがなく、内方線つき点字ブロックのある駅 7

ホームドアも内方線つき点字ブロックもない駅 5)


1日の利用者数が1万人に満たない新桜台駅などの駅は設置を急ぐ対象駅とはされておりませんけれども、残りの4駅を含めまして、区としては設置を急ぐように働きかけをしているところです。

西武鉄道では、これまでの内方線の整備については、転落事故や障害者団体からの要請により整備を進めてきたと聞いております。

今後も、引き続き西武鉄道との協力をして、内方線設置について早急に手だてが講じられるように努めてまいります。


(かとうぎ桜子)

乗降客数の目安があるといっても、ぜひ、より安全に移動できるように、鉄道駅には引き続き働きかけをしていただければと思います。