保健福祉費については、まずは議事録を載せた上で、そのあとに一言書きたいと思います。
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(かとうぎ桜子)
社会福祉施設費に関連して、福祉園など、指定管理者制度を導入している障害者施設について、伺います。
先日、総務費の日にも取り上げましたが
、指定管理者制度を導入している施設は、労務環境調査を実施しています。
その中の従業員のアンケートについてですが、いくつかの障害者施設では、「職場の雰囲気はいい方だと思うか」、「人事評価は適切に行われている方だと思うか」、「この会社でずっと働いて行きたいと思うか」といった項目に、「いいえ」というネガティブな回答した人が、回答者の2割近いところがあります。また、ある施設では3割になる場合もありました。
総務費で質問した際の答弁では、このアンケートについては、事業者にその結果をお返しして、従事者と協力しながら職場環境を改善するのに役立ててもらうということでしたが、単に事業者にお返しするのではなく、区としても、ともにその改善に取り組むべきと考えます。
福祉施設で、こういうネガティブな回答の多い施設もある状況で、処遇改善や研修など、法人としてきちんと責任をもってやっていただかなければならないことはもちろんですが、運営を任せている区としても取り組むべき課題があるのではないかと考えます。
障害者施策の所管としては、この調査結果をどうとらえているか、お聞きします。
(障害者施策推進課長)
労務環境調査については、指定期間内に一度行われるものです。
アンケート全体で見ますと、概ね肯定的な結果になっていると考えています。アンケートについては、そのとき、そのときに、ご本人の職に限らない全体の感情の揺れ動きにかわってくるものもあると考えています。
労務環境については、まずは法人が責任をもって行うべきものであり、既に行っていると考えています。
障害者施設に限らず、働き続けるために、職場環境を整え、働きやすい状況をつくっていくことは必要だと考えており、法人も研修や面接などを通し、努力しております。
区といたしましても、いきいきと仕事ができる環境を法人がつくっていけるように指導しています。
(かとうぎ桜子)
特にこういった福祉施設や教育施設など、人に深くかかわる部分に関しては、体制がとても重要だと思いますし、しっかり練馬区としても研修の体制であるとか、職場環境の改善に努めるということについては、区全体の課題として捉えていっていただきたいと思います。
そしてさらに障害者施設の調査の結果で、課題であると私が感じましたのが、昨年度調査したうちの二つの障害者施設で、「あなたの今の仕事は社会に役立つ有意義な仕事だと思いますか」という問いに、「いいえ」と答えている人がいることです。福祉施設で、この項目に「いいえ」をつける人が一人でもいるのは、すごく大きな問題ではないかと思います。
津久井やまゆり園の事件のこともありますが、福祉を必要とする当事者と向き合う現場の従事者に、その仕事の意味を見い出せない人がいる状態は、早急に改善しなければならないと思います。
先ほど申し上げたほかの項目も、課題であると思いますけれども、特にこの点については、急いで解決を図らなければならないのではないかと思います。考えをお聞きします。
(障害者施策推進課長)
昨年度、労務環境調査を受けました障害者施設は区内で6か所でした。ご指摘の施設以外の4か所については、「いいえ」の回答はゼロとなっています。
障害者施設については対人対応のところであり、人と人とが気持ちを交わしながら仕事をしていくことが大切だと考えてございます。コミュニケーションを円滑にするとともに、仕事に対しての意欲、気持ちが伴い、お互いにいきいきと仕事ができるよう、先ほども答弁いたしましたけれども、法人が責任をもって、研修や面接などを通し、努力しております。
区といたしましても、いきいきと仕事ができる環境を法人がつくっていけるように指導しております。
(かとうぎ桜子)
ほとんどそういう人はいないということですけれども、本来いてはいけないのではないかと思うわけです。
そこについてはきちんと捉えて、練馬区としてどうかかわっていくか考えていっていただきたいと思います。
関連してデイサービスセンター維持運営費についても、お聞きしたいと思います。
これも昨年度、労務環境調査を実施した高齢者のデイサービスのうちの2施設で、先ほどと同様の項目、「有意義な仕事だと思うか」に「いいえ」と回答している人がいます。
この点について、高齢者施策の所管についても考え方をお聞きできればと思います。
(高齢社会対策課長)
昨年実施した高齢者施設での労務環境調査において、「今の仕事は社会に役立って有意義な仕事だと思うか」の問いに、「思っている」と答えた方は約90%います。逆に「思わない」という方は242名のうち、2名で1%未満となっています。
区は事業者に対してアンケートの結果を問わず、利用者のサービスが低下を招くことがないように、常に指導を行っています。
事業者側もアンケートによる職員の声に耳を傾けるなど、さまざまな対応を取っていると聞いています。
今後も従事されている方が、高い意識をもって、質の高いサービスが提供できるように努めてまいります。
(かとうぎ桜子)
人数が少ないということですけれども、少なければ大丈夫かということではないと思いますので。施設の現場で働いている従業員の声から、その施設の現状が垣間見える部分があると思いますし、特に今まで申し上げたようなネガティブな状況は、区の責任としても改善していかなければならないと思います。
特に福祉施設に関しては、利用者の安全にかかわる部分がありますので、しっかり捉えていただきたいと思います。
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議事録本文にあるように、指定管理者施設の労務環境調査の一環としておこなわれている、従事者のアンケートの中で気になる点があったので質問しました。
福祉施設のアンケートを見ていると、長く働こうと思えないとか、職場の雰囲気が良いと思えないという答えが一定数ある事業所が残念ながらあります。
区はそのことについて、「全体から見れば、ポジティブな回答をしている人のほうが多い」と答えるわけですが、ネガティブな回答をしている人のほうが多い事業所だったらほんとに問題ですよね(>_<)
この点は、特に福祉施設に関しては指定管理者制度だけの問題ではなく、福祉の職場の先の見えなさ、という点にもかかわってくると思います。でも、指定管理者制度を通じて課題が見えたからには、区としても考えていかなければならない課題だと思います。
また、「社会に役立つ有意義な仕事だと思う」に「いいえ」をしている人がいるのは、私はショックでした。
給料が安くても、職場に嫌な奴がいても、先の見通しが立たなくても、だからこの仕事は続けられないなと思っても、それでも障害のある人や高齢の人に関わる施設の仕事は、社会に役立つ仕事だと、大多数の福祉従事者は思っているということは、アンケートからも見えてくるのですが、その中でごくわずかながらも、有意義な仕事だとさえ思えないという…。
これは、指定管理者施設の状況として区も見逃してはいけないことだし、それよりももっと大きな問題として、私を含め気づいた人が見逃してはいけないことだと感じました。
こういう回答をするには、少なくともその回答をした時点でその人は、何かとてもつらい状況を抱えているわけですよね。
そもそも、その仕事に何の意味があるのかという研修を十分に受けていないのか、職場の人間関係に問題があるのか、休みが十分に取れてなくて疲れているのか、あるいは個人的につらいことがあるのか…事情は様々考えられますが、早い段階で気づいてフォローする体制を作ることが必要だと思います。
ちなみに、今回の質問で指摘した施設の実際の状況については、この質問のあとで個別に様子を聞きましたが、それぞれの施設で、働きやすい環境を作るためにフォローする体制はとっているようです。
そういう風にフォロー体制を作っていくためにも、こうして機会を見つけて従事者へのヒアリングやアンケートをすることは大切だと思います。