(かとうぎ桜子)

障害のある子の特別支援教育について伺います。



昨年 、重度や重複の障害のある子が実質的に地域での教育を選択できていない状況について課題を指摘しました。障害のケアや障害の状況に応じた教育とあわせ、自らが暮らす地域で教育を受けられる体制整備を進めていかなければなりません。



また、現在特別支援学校に通っている練馬区在住の子は小学校153名、中学校109名とのことですが、特別支援学校在学の子が自分の住む地域の小中学校と交流する副籍制度があります。

しかし、実際にはどのくらいの頻度での交流ができているかは個々の学校の状況によっても異なっていると伺いました。特別支援学校は都立であるために練馬区の教育行政から少し離れてしまう側面があるように感じますが、学校を卒業すれば地域の作業所や福祉園などに通ったり福祉的なケアが必要になることもありますので、練馬区として学齢期から連続したかかわりを持つ工夫を考える必要があるのではないでしょうか。



障害のある子が地域の人や同世代の友人と日常的に一緒に過ごし成長していく機会の保障が課題であると考えます。例えば副籍制度による交流の際の人的なサポートについて、都と連携しながら進めていく必要もあるのではないでしょうか。



昨年質問した際の答弁では、特別支援教育についてはみどりの風吹くまちビジョンやアクションプランに基づき、特別支援教育推進委員会などで充実の検討を進めるということでしたが、その後どのように検討が進められてきているのでしょうか、状況をお聞かせください。

また、東京都の特別支援教育推進計画の計画期間は来年度までとなっており、練馬区としても、この間の障害者差別解消法などの動きもふまえた今後の方針を明確にして取り組む必要があると考えますが、今後具体的にはどのように取り組んでいく考えかをお聞きします。


(教育振興部長)

私から、特別支援教育に関するご質問に、お答えいたします。

はじめに、特別支援学校の副籍制度についてです。

東京都教育委員会は本年度から、原則として特別支援学校の小中学部に在籍する全ての児童生徒について、指定する地域の小中学校に副次的な籍を置くこととしました。直接交流を希望する際は、副籍校と特別支援学校とが協力し合い、身体障害者・知的障害者相談員や民生児童委員などの地域の方々の協力も得ながら、双方の子どもたちにとって、有意義な交流を行っていきたいと考えています。

次に、特別支援教育の充実についてです。

みどりの風吹くまちビジョンのアクションプランの中で、平成28年度末を目途に、受入れの理念や今後の特別支援学級の設置のスケジュール等についてまとめることとしています。

現在、学識経験者、医師、障害児を持つ保護者の代表、特別支援学校の校長等で構成する特別支援教育推進委員会において、随時、意見を伺いながら、具体的な取組み内容について検討を進めているところです。

また、検討に当たっては、本年四月に施行される障害者差別解消法の理念や、本年度中に策定が予定されている東京都発達障害教育推進計画など、都の動向についても十分踏まえながら、進めてまいりたいと考えております。


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障害といっても様々。軽度の障害の子、重度の障害の子、重複の障害の子、それぞれ、どこの学校に通うのか、選択をする際さまざま悩んでいるとお聞きします。


その子とご家族が最も納得ができる学校選びができるようにしていく必要があるし、通常学級、支援学級、特別支援学校、どこに通ったとしても地域として支えられるしくみも必要であるという思いで質問をしました。

質問の中に、特別支援学校に在学する子の人数が出てきますが、それは担当課が調査してくださいました。

入学の際には就学相談をするのでその段階では区内在住で特別支援学校に入る子の数を把握しているけれども、その後転居などで移動することもあるだろうということもあって、在学を続けている子の数を継続して数えているわけではないようで。

なので今回質問するにあたって事前にヒアリングをしたときに、「何人在学しているのですか?」とたずねたところ、改めて各学校に問い合わせて正確な人数を調査してくださったようです。

真摯に調べてくださったこと自体はありがたいのですが、本当は、特別支援学校に通っている子と、身近な自治体である区の教育行政に普段からもっと接点があれば、人数も把握できるでしょう。

どこの学校に通っている子についても、その子の地域での成長や、その子が卒業してからの福祉的支援にもつながるような形をとっていけたら良いなという思いも持ちました。