(かとうぎ桜子)

次に、犯罪被害者支援についてうかがいます。



犯罪被害にあった人は警察に行ったり法的な手続きを必要とするほかに、日常的な生活に関する手続きやご自身のケアなども必要となります。被害者支援都民センターでの対応のほかに身近な自治体である練馬区が対応すべき点があることは、2014年の議会でも指摘させていただきました。



練馬区における犯罪被害の相談件数は、2011年度2件、2012年度1件、2013年度2件、2014年度7件となっています。練馬区に寄せられる相談はあまり多くありませんが、一方で相談窓口を置いている杉並区や中野区では毎年少なくとも数十の相談が寄せられており、練馬区民の中にも被害にあって困っていても相談できずにいる方が潜在化していることが懸念されます。



練馬区での相談の状況を経年的に比較してみると、2014年度はそれまでよりも若干相談件数が増えています。この間、被害者に「区にも相談できる」という情報を届けるために工夫してきたことや、区の職員が窓口での対応において被害者の声をキャッチするために工夫してきたことがあればお聞かせください。



練馬区のホームページの犯罪被害者支援のページでは、2014年秋から区の担当の問い合わせ先を明記されましたが、それを見てのご相談は寄せられているでしょうか、また寄せられた相談にはどのような対応の工夫をされてきたかを伺います。



また、例えば被害者支援の情報をまとめたリーフレットを作成して区内の警察など関係する機関に渡すなど、当事者に情報が届くように、区の被害者支援のとりくみをより積極的に情報発信する工夫をすべきと考えますが、区の考えをお聞きします。


(総務部長)

区は、犯罪被害者等支援の手引きを作成し、各課に配布、周知しているほか、これを活用した職員研修を毎年実施し、全ての窓口において被害者等の相談・支援に努めております。

また、当事者や支援者を招き、講演会などの区民向けの啓発にも取り組んでおります。

研修等を通じ職員の意識が高まり、人権・男女共同参画課への情報提供や問合せなどの庁内連携も深まっております。また、平成26年度に区のホームページで、相談・問合せ先として担当課を明示したことで、ご覧になった方からの相談も寄せられております。


窓口では相談者に対して、必要な制度の案内、庁内関連窓口や関係機関への同行、また、ご事情に応じてご自宅近くの区立施設を相談場所として提供するなど、相談者に寄り添った支援を行っております。

また、区では庁内組織、区内警察署および被害者支援都民センターとの間で連絡会議を設置し情報交換や取り組みの報告を行い、連携の強化と支援の充実に努めております。今後もこのような区の取組を、事業やホームページ等を通じて区民に発信してまいります。


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犯罪被害者支援については、2014年の議会でも質問したり(こちら )、昨年夏には「被害者が創る条例研究会」の方々と勉強会を共催しました(こちらのレポート の2ページ目をご覧ください。)

詳しくは上記の2つのリンクをご覧いただければと思いますが、犯罪被害に遭った方のケアは、法的な対応等で行なうだけではなく、日常生活の支援として基礎自治体が行なうべき課題が多くあります。しかし、練馬区のみならず、多くの基礎自治体ではまだその問題意識が共有されていません。


2014年に質問した後、少し改善が見られた部分もあると思いましたので、今回は最近の状況を質問しました。