こちらは

やおらーの

やおらーによる

やおらーの為のお話です。

この時点で意味がわからない方はこれ以上進まないでください。

※閲覧は自己責任です。


 
 



前回のお話 

 



-A side-

 



「相葉ちゃん・・・・・・?」

 

 

え・・・・・・・

 

 

久々に怒ったから頭の中がおかしくなってしまったのか

少し前、夢に出て来た人が目の前に映ってる。

 

 

 

目をパチクリ動かし擦るけど

擦れば擦るほど鮮明に映し出された

グレーの耳が相変わらずフサフサで上品な毛並みは光沢感があって

思わず触れたくなった。

 

 

 

「たっきー・・・・・・?」

 

 

 

しばらく会ってなかったけど

 

 

 

「相葉ちゃん?!・・・・・どうして・・・・・・」

 

 

タッキーの姿を見たら迷わず抱き着いていた。

タッキーの香り・・・・・あの時と一緒だ・・・・・

 

 

「タッキー!!!!!!!タッキーだ!!」

 

 

あまりの勢いに2人の身体がよろめき

 

 

「相葉ちゃん!!」

 

 

顔を見合わせクスっと笑う。

 

 

「どうして?!どうしてここに居るの?!」

 

「相葉ちゃんこそどうして?」

 

「しょうちゃんとニノとお泊りに来たんだ。はじめての温泉旅行!」

 

「そうなんだ。俺はこの温泉の看板うさぎとして飼われてるんだけど、ただ何もしないのはなんか気が引けちゃうから最近マッサージ師の免許も取って、このお店で働く事にしたんだ」

 

「わぁ!!すげー!!かっこいい!!」

 

「だろ?」

 

「かっこいい」

 

 

 

タッキーは昔からかっこいい

雲の上のような存在

タッキーも俺にとっての王子様だった。

 

 

 

タッキーは同じペットショップでしょうちゃんに飼われる前に毎日一緒に居た。

面倒見がいいタッキーは俺の隣にいつもいてくれて

 

 

 

「いやぁ!注射嫌だ!!」

 

 

「雅紀くん動かない。大切な予防接種だからジっとして。ほら、そっちも押えて」

 

 

 

元々男の人にトラウマがあった俺を守る様に

 

 

 

「そんなに強く掴まないでくださいよ。俺が押さえてるから。」

 

 

ピンチな時はいつも駆けつけてくれた。

 

 

「タッキー怖いよ・・・・・・・」

 

 

椅子に座ったまま

タッキーの首に手を回し

ぎゅっと抱き着き体を震わせていると

 

 

「相葉ちゃんが病気になったら俺嫌だよ?ずっと一緒に・・・・元気に居れるように必要なんだよ。

俺もするから相葉ちゃんも一緒にしよう?怖いならこうしてればいい」

 

 

タッキーは病院の先生にアイコンタクトみたいなのをしてから

俺にキスをした。

 

 

「タッキー・・・・・」

 

「怖くないよ。俺がついてるから。ずっとそばに居てあげる」

 

 

髪を撫でられてから

再びタッキーの唇が重なり

柔らかい感触と温かい温度に酔いしれていると

 

 

 

「はい、終わったよ」

 

 

大嫌いな注射は終わっていて

 

 

「よくできました」

 

 

大好きなエクボをピョコっと表わした笑顔が俺を優しく包んでくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

タッキーは俺にとって大切な人だった。

 

 

 

「相葉ちゃんも相変わらずだね」

 

「相変わらず?」

 

「可愛い」

 

 

 

耳にタッキーの指先が触れたかと思うと

そのまま後頭部の髪に長い指が差し込まれ

 

 

 

「え・・・・・・・・」

 

 

「会いたかった」

 

 

 

懐かしい唇の感触が

半開きの唇に重なった。

 


 「元気なの?」

 

「タッキー・・・・・・」

 

「泣いたような顔して」



タッキーの指が目頭から目尻をなぞり

柔らかい感触が今度は瞼にも落ちてくる

 


「わかるの・・・・・・?」



「俺を誰だと思ってるの?」



 

タッキーは

俺がピンチな時に現れる

 


「会えないときも相葉ちゃんを・・・・・想ってたよ」

 

 

 

王子様だった。