You dear 61【君の幸せは僕のしあわせ】

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ーA sideー 
 
 
 
 

「雅紀 愛してるよ」
 
 
 
 
しょうちゃんからの言葉を理解するまで時間がかかった。
 

 
世界一愛する人の言葉なのに、その愛してるがどんな意味を持つのか分からなくなった。
 
 

 
意味は分かるのに
意味が分からなかった。
 
 

 
大好きな・・・・・・いつも通り綺麗な顔を・・・・・ちゃんと見たいのに
目の前に靄がかかって見えないよ。
 
 
 
しょうちゃんの優しく微笑む顔を見れば
益々目の前は見たい景色を閉ざした。
 
 
 
震えが止まらないし
声も出せない
 
 

しょうちゃん
嘘・・・・・・・・・でしょ?
 
 
 
「雅紀」
 
 
 
まだ・・・・・・・俺の名前を呼んでくれるの?
 
 
 
 
「愛してるから」
 
 

まだ・・・・・その言葉俺にくれるの?
 
 











 
 
しょうちゃんが無理をしている。
頑張っていっぱい愛してくれるんだ。
時には苦痛の表情を浮かべて・・・・・・
もう限界なのに・・・・何度も何度も愛してくれる。
 
 
 
仕事の時だって小まめに連絡をくれるようになった。
いつも以上に優しくて2人の時は俺を安心させるように何処かが触れ合っていた。
 


キスだってS E Xだって腰が立たなくなるぐらい激しくて濃厚で
気を失うぐらい愛され続けた。
 
 
 
しょうちゃんは俺をいっぱい愛してくれる
一生懸命 
無理をしてね
頑張って努力して愛してくれてるんだ。
 
 

寝顔を見れば苦悶の表情を浮かばせている
いつもそこにあった天使のような寝顔はいつの間にか見ることが出来なくなっていた。
 
 
 
いつやってくるか分からないソイツがやって来てしょうちゃんを痛めつける
しょうちゃんを愛おしいと思えば思うほど現れるもう1人の自分。
 
 
 
たくさん酷い事をするのに
我慢強いしょうちゃんの抵抗は日に日に薄れてくるばかり
 
 
 
俺が何をしても耐えてくれたし
泣けと怒鳴れば
 
 

 
雅紀雅紀許して下さいって涙をいっぱい流して泣き喚いてくれた。
 
 
 

俺の望みを叶えてくれるしょうちゃん
どんな願いも叶えてくれたしょうちゃん。
 
 
 
 
しょうちゃんしょうちゃん許して下さい 
 
 
 
 
愛する人の体に傷を付けた汚い手で顔を覆いながら
先生に縋りつきしょうちゃんみたいに泣き喚いた。
 
 
 

もう俺の来る場所はここしかなくて・・・・・・・
しょうちゃんを酷く傷付けた後には助けを求めに病院へ行った。
 
 
 
「しょうちゃんの泣いた顔なんて見たくないのに・・・・・俺・・・・・もう1人の
俺が・・・・・しょうちゃんを虐める・・・・俺のしょうちゃんなのに・・・・・・
助けてって・・・・しょうちゃんが助けてって言ってるのに・・・俺助けられなくて・・・・でも・・・いいよね・・・・・これで・・・・嫌いになってくれるよね?先生
俺もう・・・・・しょうちゃんの傍にいられない・・・・愛してるから・・・しょうちゃんからサヨナラしてもらいたい・・・どうしたら・・・俺の事嫌いになってくれるの?早く嫌いになって欲しいよ・・・・苦しい・・・・好き過ぎて苦しいよ先生・・・・」
 
 
 
 
先生の足元にしがみ付き床に頭を付けるようにして先生からの答えを待った。
 
 

 
「俺の事・・・・・・嫌いになって・・・・ほし・・・・・・」
 
 
 

俺は嘘つきだ。
本当は愛されたくて
傍に居たくて
離してもらいたくなんかないのに
 
 
 
本物の愛は愛する人を守ろうと
色んな手段を使ってしょうちゃんを守ろうとした。
 

 
 
しょうちゃんに嫌われるにはもってこいのやり方でしょ。
虐 待 されても愛されたいなんて・・・・・・
そんなのないんだから・・・・・・
こんな俺は嫌われる。
捨てられる。
愛されない。
 
 

 
「櫻井さんにサヨナラを言われたらここに来なさい。その時はうちで面倒みてあげますから」
 
 
 
背中を擦る先生の手はしょうちゃんと同じ温もりを感じたけど
泣いて脱力する俺の顔を両手で掴んだ先生は
最後に鋭い眼差しを見せて言う
 
 
 

「気持ちは言葉にしないと伝わらない。人間の特権を相葉さんは無駄にしてます。
手を持っているのに、目を持っているのに、使わないとどうなりますか?
そこにある幸せを掴めない。映せなくて簡単に入る幸せまでも困難なものに変えてしまうんです。櫻井さんの幸せそれは一体何なのか相葉さん、あなたが1番分かるでしょ?怖がって後退りばっかりしていてはその苦しみからいつまで経っても抜け出せません。たまには相手の気持ちを無視して言いたい事を言い合いなさい。相手を想うなら櫻井さんを大切に想うなら気持ちを言葉にしてあげなさい。櫻井さんにあなたの気持ちを教えてあげるんです。それでも駄目な時にはうちに来なさい。それまでここには来てはいけません。相葉さんなら出来ます。あなたは強い。自分を犠牲にしてまで櫻井さんを守ろうとしているんだ。とても強いんですよ」
 
 

心の中のものを言葉にして口から出す
順番なんてどうだっていい 
ぐちゃぐちゃでもいい
どうせ嫌われるなら
想いを全部吐き出してから嫌われよう
 
 

 
そう思っていたんだよ。
 
 
 

しょうちゃんに振られる覚悟は出来ていたんだよ。
 
 

 
「雅紀の幸せが俺の幸せ」
 
 


眠れない夜には必ずしょうちゃんはそう言って
俺が夢の世界にいくまで髪を撫でてくれた。





そして俺も悪夢を見て魘されるしょうちゃんの髪を撫で


 

「しょうちゃんの幸せが俺の幸せだよ」
 
 


汗が滲むこめかみに、食いしばる唇に
そっとキスをすれば




「・・・・・まさ・・・・」




君が微笑んで見えた。



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