曖昧な休息日 後編 | 感謝を込めて花束をあなたに

感謝を込めて花束をあなたに

ごとう先生に、その物語に感謝します。
沢山の妄想をありがとう。
そして、これからも、やめられないでしょう。

このブログは完全なる自己満足です。
故に、誰の理解も求めてはいません。
興味本位、のぞき見のつもりお願いします。

「アリアーナさんって・・・」

カフェの中がざわざわしてきたのは、英語が分からなった生徒が英語の分かる生徒にアリアーナの台詞の訳を聞いてるからだ。

「えっ今、なんて言ったの?」

「うわ、なんかえげつなくない?」

「何者あの美人」

とか、もう我を忘れた生徒たちの声が飛び交っている。

『兎に角、アリアーナ座ろうか』

と、ぼくは、椅子を勧めて、隣の人のいないテーブルからもう一脚椅子を取ってきて、滝さんにも座るように勧めた。

「葉山さん。アリアーナさんって」何者?と、滝さんの疑問を含んだ眼。

『彼女は、ぼくのジュリアード時代の同期だよ。そして、首席卒業者』

レディの前で内緒話のような事はしてはいけないと、ギイに言われたので、英語で答えた。

滝さんは来期の交換留学生を狙っているし、篠田君は海外就職希望だし、山室君も留学生の世話係もさせられているからここにいるメンバーは英語大丈夫なはずだ。

『これから、ぼくの不在の間、井上教室の助手の仕事してもらうから。でも、日本語は出来ないので、午後に日本語教室にいくから。助言は、午前中に訊いてね。

ただ、アリアーナはぼくより厳しい事を言うよ。井上教授が二人になるかな。心して助言を求めてね』

『あら、優しい対応なんて必要かしら。皆、誰よりも上を目指しているのじゃなくて?』

うーん。アリアーナのその言葉。ジュリアードを思い出すよ。

滝さんなんて、あからさまな言葉に頬ぴくぴくさせてるし。

篠田君も背筋伸びてる。

山室君は某ーっとアリアーナを見つめている。

『井上教室は海外留学狙ってる生徒がほとんどだから、アリアーナの姿勢は、いいかも。海外の音楽学校の実態を知るにはいいよね。日本みたいにのんびりしてたら、教室から追い出されるもの』

『葉山さん、教室追い出されたことあるんですか?』

滝さん声、固まってるよ。

『うん。あるねぇ』

『タクミ頑固ですもの、教師の言う事なんて聞かなかったじゃないの』と、アリアーナは思いもしない事を言い出した。

『そんなことないよ』

『あら、それでエリオットと大喧嘩したでしょう。頭が固いのはエリオットの方だって、最後は、自分の解釈で最後まで弾いて見せて、理想の演奏なんて、誰かのモノマネでしかないって捨て台詞残してレッスン室出て行ったじゃない』

アリアーナなぜそのことを・・・・。あんまりのエリオットの仕打ちに切れた事が一度だけ。でも、次のレッスン行き辛くて後悔したよ。

『でも、その位じゃないと、ジュリアードにいられないわよ』

これまた、思いもよらないアリアーナの言葉にぼくが驚いたりして。

そして、滝さんと篠田君がまた固まってしまった。

『私も、タクミがいたから、頑張ったんだと思うのよ。どうしても、タクミには負けたくなかったの。こんなに、ぼんやりしてる人に負けるなんてあり得ないでしょう』

アリアーナのあんまりな台詞。

その場にいるみんながぼくをまじまじと見た。

『お嬢様。そろそろお時間が』と、現れたのは、ベルギー大使館から派遣されている警護官。

そう、逃亡劇に大使館が危惧したのか護衛官をアリアーナに2人付けたのだ。

『もう、そんな時間?では、皆さんごきげんよう』そう、言い残してアリアーナは、日本語教室へと行った。

アリアーナの後ろ姿をぼんやり眺めていた滝さんが、

「私、もっと頑張らなきゃ」といい練習室確保しに行きますと席を立った。

「俺も泣き事言うのやめます。やるだけやってみます」

篠田君も燃えて来たようで、コンクールの選出しないとと、席を立った。

「葉山さん。僕、やっていけますかね~。なんかとても気の強い女性のようなんですけど。僕、これからの事心配です」

益々、凹んだ山室君には、同情するよ。

やっぱり、アリアーナの面倒見るの大変だよ。

 

 

 

面白いのか?この話。疑問が?

書いてる本人は、楽しかったです。

自己満足ブログなので、ご勘弁を。