【就農経営計画の作成】
ここでいう就農計画は農産物の作付け計画ではなく経営計画のことです。
新規就農を希望してJAや行政機関に相談に行き、農地の件などある程度話がまとまってくると就農計画を作りましょうと言われるかと思います。
これは、無金利の新規就農者向けの融資を利用したり、育成投資金制度を利用するのにも必要になってきます。
また、作成は農業改良普及センターがお手伝いをしてくれますので悩んだらまず相談です。
でも、まだ栽培もしらない、経営もしらない、地域のこともしらない、そんな中で立てる経営計画なんて暫定的に数字を当てはめるだけの物になりがち。実際よく聞く話ですし、私もそんな物でした。
また、計画の認定を受けるためには、5年後の実績はこうなっているはずだ。という数字を前提にした計画を作らなければいけない事もあり現実離れした計画になる事もあるかもしれません。
実はそれでいいんです。
自分の内なるものと向き合い、漠然としていたものを数字や時間軸に落としていくその作業にこそ意味があるのだと思います。
いざ新規就農してしまえば、栽培や出荷に追われ計画を組み立てる時間は取りにくくなります。
まだ時間のある就農準備期間に必ずやっておくべきです。
農業は計画を立てなくても始められますし、おそらく一度も計画なんて立てたこともないという農家さんもいると思います。
しかし、計画を立てるということは三年後、五年後、十年後の自分がどう在りたいかを考え、未来への地図を描くことです。
地図のない旅は迷った時に時間と体力と資金の大きなロスにつながります。
理想の自分に会いに行くための地図を描きましょう。
【計画を立てると意識し始める】
ちなみに、私は評論家でもないしコンサルタントでもなく農業経営者ですので、このブログに書いているのは現場で実践してきた事です。
当然、新規就農時には計画を立てました。
あの頃の自分はまだまだ控えめだったのでしょう。
先述の通り暫定的な数字を当てはめ、かつ現実的な計画を立てましたが実際に経営を開始すると確かな手応えを感じて、二年後には計画の上方修正を出しましたが、有難いことに五年後の実績は修正後の計画を上回りました。
ただ、最初に想定で組んだ暫定的な数字も案外的外れなものではなかったのを覚えています。
計画って面白いなと思いました。
設備投資に対する計画も同時に立てましたが、こちらの実績は早まる事も先送りする事もなく計画通りでした。
今年はこんな機械を導入する計画の年度だ、というタイミングで丁度いい話が飛び込んでくるのです。
これは運が良いとか悪いとかの話のようにも感じますが、実は計画を策定する事で本人がその時期を意識するようになります。
一度マインドに組み込まれると、意識的に、または無意識のうちに様々な所で口に出し、文字におこしていくことになり自然とアンテナが広がった状態になった結果なんだと思います。
計画を立てて終わりではなく現実のものにするために、定期的な進捗状況の確認をすることで意識し続ける事が大切です。
今度は経営理念についてかな。
もちろん、気が向いたらです^ ^
よろしくどうぞ。
鈴盛農園 鈴木啓之