606 | ねぇ、センセイ。

ねぇ、センセイ。

『幸せになる』って約束した。

それは
先生とは別の誰かを
選ぶってこと。

Dr×OLの奇妙な関係。

 
ごめんね。
 
出かけるって、急いでるとこ
捕まえちゃって。
 
 
ごめんね。
 
でも、それまで
どうしても言えなかったのさ。
 
自分でも、受け入れられてないこと
思い知らされたから。
 
やっぱり、逢ったら
先生、好きだったから。
 
 
『先生は、言いたくない?』
 
消え入るような声になった。
 
 
『なにが?
どうした、りぬ』
 
『どうしていつもそうなの?』
 
『…。
よく分かんないけどさ
言ってるじゃん』
 
『言ってる?
どこが?なにをですか?』
 
先生にとっては、離れてからも
途切れることなく
連絡を取り合ってきたし
だから、こうして今があって。
 
他愛のないことや、仕事のこと
たくさん話してるじゃん。
 
離れてるけど、それ感じさせないくらい
連絡取り合ってるじゃん。
 
って、意味で言ったんだろう。
 
 
でも、違う。