蒼空ひやおろし純米 | 日本酒バー開店日記~日本酒BARあさくらat京都~

蒼空ひやおろし純米

蒼空 純米ひやおろし7号酵母(京都府、藤岡酒造)





伏見の復活蔵、蒼空さんのひやおろし登場です。


復活蔵?


日本酒好きの方ではご存知の方も多いでしょうが、
蒼空の醸造元藤岡酒造は平成7年に一度造りをやめて、
平成14年に復活した蔵なのです。
かつては「万長」という京都ではかなり呑まれていた銘柄で、
市内のあちこちに万長酒場という一杯飲み屋が
アンテナショップ的な役割も果たしていたので、
年配の方には万長という銘柄は割と馴染みのある方も多いのではないかと思います。
それほどに売れていた蔵ではありましたが、
先代の社長の急死により、経営は悪化。
赤字に転じるよりは・・・・と廃業を決意。


しかし、息子であり現蔵元である藤岡正章さんが
再び酒造りを始めることを決意。
東京農業大学醸造学科を卒業した藤岡さんは
ツテを頼り、いくつかの蔵で修行を重ね、
京都に戻ってきました。
もともと倉庫として使っていた建物を改装し、
平成14年から蒼空を造り始め、現在に至るというわけです。


で、今回のひやおろしですが、
実にいい具合にまとまっています。
ブワーッと広がるような感じはないのですが、
味や香りがうまい具合にギュッと丸められた球体が
口の中をゴロゴロと転がっていくような感じです。

香もずいぶん控えめだな、と思ったら
蒼空にしては珍しい7号酵母を使っているのです。
造り手ではない私がこんなことを言うのはおこがましいのですが、
7号酵母というのは非常にいいチョイスだったと思います。
以前から、ここの蔵グセと水質なら、
もう少し香を控えて味ノリする方向でいけばもっとおいしくなるのに、
と思っていたので、
今回の一致はこれからに期待の持てる選択だったのではないかと思ったのです。


与えられた自然条件に合わせて造るのか、
自分の目指したい酒質をあくまで追求するのか。
難しい問題ではありますが、
その選択を常にしていかなければならない。
酒造りとは、なんと難しいものなんだろうと改めて思いました。
もうすぐ造りの時期に入りますが、
藤岡さん、今年もがんばって美味しいお酒を造ってください。



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