花垣訪問 | 日本酒バー開店日記~日本酒BARあさくらat京都~

花垣訪問

花垣の醸造元である南部酒造場は福井県の中でも最も雪深い地の一つに数えられる大野市にあります。


実家のある福井市内からはJRを利用したのですが、一昨年の大雨の被害で崩落してしまった橋が未だ復旧していないため、途中の区間はバスでの代替輸送になっていました。
大野が近づいてくるにつれ、徐々に積雪量が多くなっていくのが目に見えて分かります。
大野駅の手前辺りでは、除雪されている玄関以外の一階部分が雪に埋もれてしまっている家もよく見受けられました。


大野駅から南部酒造場までは徒歩10分程度の距離。
蔵を訪ねた1月3日は吟醸のしぼりの日でした。
本来は何も作業はないはずだったらしいのですが、もろみの状態に合わせて行動しなければならないので、こうした変更はままあることです。


2年前に訪ねた時は10月だったので、蔵の中はシーンとしていましたが、今回は心地よいもろみの香りが満ち、蔵人達もキビキビと作業をしていました。
ザッと蔵の中を見せてもらい、途中で酒母を利かせてもらったり、もろみの様子を見ながら説明を受けているうちに面白いものに出会いました。


それは貴醸酒のもろみです。
まさか花垣が貴醸酒を造っているとは・・・
知らないのも当たり前で、数年前から造りはじめたものの、まだ初年度に作った分も商品化はしておらず、何年か後に発売予定なのだそうです。
貴醸酒のもろみを見たのは初めてですが、パッと見には普通のもろみとあまり変わりないように見えました。
見る人が見れば分かるのかな?


今回の見学では貴醸酒の他に全麹のお酒も以前発売していたことを教えてもらい、13BYのものを試飲させてもらいました。
なるほど麹の香りたっぷりで重みはある。が、まだまだ若い。
この先化けていく可能性は高そうだけど、せめてあと5年くらいは待たないとダメかな、という印象でした。


お忙しい中案内していただいた日置さん、ありがとうございました。