木村一基八段とX八段は、奨励会時代からの仲良し。
奨励会時代によくVS(一対一の練習将棋)をしたそうで、X八段が一足先に四段昇段を決めたが、彼の好意でVSはそのまま続けられることとなった。
X四段が四段昇段を決めた後のVS、当日その時刻になってもX四段は現れない。
ようやく現れると、まるで木村のことなど目に入らぬかのように、
”あ、そうだ・・・”
”もしもし・・・”
美容院への予約の電話を始めたのだ。
あまりの態度に、木村は肩を震わせ、唇をかみ締め、
”俺は絶対に四段になってやる!”
と心に誓ったそうだ。
ところで、この話を観戦記に発表したライターさんが、このことをX八段に聞いてみると、彼は、
”何も覚えていない”
と言ったそうだ。
きっと四段になって、舞い上がっていたのかも知れないね。
でも些細なことで人は傷つく。
このとき、木村さんはとても傷ついたかも知れないが、その反発心が四段になる原動力の一つになったとしたら、少しは慰めにもなったかな・・・
なお、お二人は今も仲良し。
ファンの皆様、ご安心を・・・
今宵もしこたま酔って候
しからば御免