今となってはやっとイチゴの出荷量も増えているようですが、「え?なんで…?
」にも書いたように、今月のイチゴの出荷量は平年に比べるとかなり少なかったです。
いろいろと情報収集しましたが、やはり2月の天候不順が要因になっているようですね。
農業普及センターにも電話して聞きましたが、そもそもの芽数が少なかったようです。
そういえば、定植後に早進株(2番が内葉数2枚程度で出蕾してくるような株のことで、福岡県特有の呼び方です)が多かったことも原因しているのかもしれません。
詳しいことは収穫終了後にわかればいいのですが・・・
ほとんどのイチゴ農家さんがかなりの収入減となることでしょうが、そんな中でもいつも通りに収穫している方もいるようです。
今年に限ってはそんな方はかなり少ないと思いますが、どんなときでもそんな人はいるんですね。
私のお客さんでもあまり影響を受けていない方がいらっしゃいますが、共通していることは「健全な樹勢」でしょうかね。
この健全な樹勢が曲者ですが、やはりそれ無しには何も語れないと言うことでしょうか。
そんな中で一つ参考になりそうなのは、定植後の樹勢です。
ある一人の方は、定植後の現地検討会で、「樹勢が弱すぎる」と指導員に指摘されたそうです。
しかし、今年は元肥を大幅に減らして、追肥を早めに施そうと決めていたために、指導員の言葉は参考にはしたけどもだからと言って焦って追肥をすることはしなかったようです。
また早進株は盆頃の体内窒素測定時にゼロに近いような数字だと、発生しやすいですもんね。
さて、ここからの考察ですが、やっぱり基本が一番と言うことでしょうかね。
個人的には苗は弱いくらいなら、早いうちに樹勢をつけてやって、窒素を低くする管理のほうが良いと思っています。
そして、定植後1ヶ月は基本的には我慢の時です。
とよのかの感覚だと、定植後に活着促進が最優先事項だったために、発根剤を使用してとにかく早く活着させようとしていました。
場合によっては発根剤の1回使用くらいはあると思いますが、基本的にはあまおうにはこれは必要ないと思います。
それでいて元肥は少ないほうが良いですから、今までの感覚ならば、ちょっと可哀相な感じがするでしょうがそれを我慢です。
ここで大事なのは、最終的に年間窒素量は、とよのかの時とあまり変わらないということです。
元肥を減らすことは年間窒素量も減らして良いということではありません。
定植後1ヶ月間は我慢です。
一ヶ月後には1番の花数が決まる時ですから、NPKの量をバランス良く「これでもか」ってくらい肥料をやってくださいね。
そうした上で、アミノ酸や糖の葉面散布は必須です。
また、2月はとんでもない天候不順でしたから、光合成不足、徒長気味の木、それらを解消させてやるにはそれこそ資材の力を借りないと無理でしょう。
リン酸主体の液肥とアミノ酸、糖の葉面散布が有効だったでしょうね。
育苗時にも徒長を抑えるにはリン酸を散布することは有効ですから、同じ理屈です。
「そんなことする暇もないくらい天気が悪かったよ」という方もいらっしゃるでしょうが、28日間全て悪かったわけではないんですから、晴れの日に必ず散布することが必須でしょう。
これは個人的な印象ですが、普通ポットの場合、1番は時期が来ればほぼ間違いなく分化します。
問題は2番ですが、それも適切な管理をしていれば大丈夫です。
それ以降の花芽に関しては、収穫・パック詰めが作業の中心になるために難しいことを考える暇がなくなってしまいます。
結局は、健全な樹勢を維持することが順調な収穫の1番のポイントだと思います。
そのためには、バランスの良い栄養をやることが必須ではないでしょうか。
以上が今のところの考察です。
また新しい情報が入ったら、掲載します。