宮川水系大杉谷支流 千尋谷 遡行(前編)
2014年4月19日~20日
信念とは、道徳でも正義でも無い。
生きていく上で、あえてリスクを負わなければならない事も普通にある。
信念は決して自分を正当化するものでは無いが、自分が生るのに必要な羅針盤だ。
登山道をあえて逸脱する(世間的に行儀が悪い)行為も、登山とは即ち“沢登り”という信念によるものなので、必然的に自分が取るべき道である。
大滝の右側か左側か、どちらを選ぶかはリスクを承知で自分が決めること、予め決められた道は無く、選択権は自分が持っている。
千尋滝(135m)をどう高巻こうか?
実は3月に、大杉谷に行った時、この大滝の高巻きを左岸に定めたのだ。
右岸も樹林があるのでコース取り次第で弱点は有りそうだったが、高く追い上げられそうな感じがしたので採用はボツ。
左岸はガレ場が視界上まで、続いていて、これだなと思わせる感じで採用。ただし最上部が壁状にも見えるので、大変な事になるかも知れないリスクはある。
それより右は“嵓”になっていた。
こんな感じの下調べを踏まえのトライだ。
今年のカレンダーも早4枚目をめくり、大杉谷登山道は来週25日に山開きをする。
その時にはわんさか人が来るだろうから、この様な登山道から目立つ場所は、それまでに登るに限るのだ。
大杉谷登山道から大杉谷に降り、反対側の千尋谷出合に渡った。
即ちここが千尋滝の基部になる。
下から忠実に水流沿いの巨岩帯を登ると、下段の斜滝が現れるので、これを右から越え、いよいよ本体が現れた。傾斜、水量的に向こう側に渡れんこともなさそうだが、滝身がヌメヌメ過ぎて、これは怖い。
予定通り、そのままガレ場を登っていくことに。
まあ何のことは無いガレ場で、3月に下から見えた壁状なものは、このガレ場の右にある高い嵓の壁であった。対岸の大杉登山道の上も一面壁状になっているのが見え、あらためて大杉谷の深さが分かった。強いて言えば千尋谷が一番緩い斜面で、だから谷の水もここに落ちているのだろう。
このガレは千尋滝を少しハズレた尾根直下まで続いていた。
まあ結果的には登り過ぎたのだが、ロープを使うことなく登ったので、時間的にはこれで正解かなと言う感じだった。
千尋谷の沢登りはこれが全てだった。
大杉谷から少しでも外れると原始的な深さは無くなる。夢も希望も無くなる様なことを言うが、それが現実だ。
高巻きで到達した尾根には黄色のテープが点々とつけられていて、尾根上のテープを追って下っていくと、右斜面の木々にはタグが打ってあった。ここはもう植林の世界である。
その右斜面を適当に下りると、滝上に出た。
滝上には杣道があっちこっちにつけられている感じだ。
でも谷は滝上からもそれなりに小さい斜瀑が続いていて好い感じだったが、それも一瞬で終わった。砂防ダムの出現だ。
この後、これが何枚あることやら・・・
その間の谷中は土砂で埋まってるか、平凡な流れかどちらかで、その先の遡行はかなり疲れますわ。
砂防4枚目か5枚目か忘れたけど、ようやく滝が出てきたと喜んだら滝の上段は砂防・・・
何て残念な滝だ。
それでも粘り強く遡行していたが、とうとう林道が谷を跨いだので、ここで林道に上がった。一本杉橋と柱には書いていた。
ここまで遡行したので十分だ。
ここからはこの前、聞きに行った山岳遺跡の世界ですな( 大杉谷森林鉄道 → http://ameblo.jp/sakanaya39/entry-11777410768.html
)
後編につづく : http://ameblo.jp/sakanaya39/entry-11829344403.html