Asphalt. EP / DALLE | 安眠妨害水族館

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Asphalt. EP/DALLE


1. Asphalt
2. Asphalt (remix ness)

ex-DEEP、ex-HATE HONEYのBa.atsushiさんを中心に結成されたDALLE。
本作は、2月から販売が開始された2ndEPです。

1曲+リミックスを収録。
初回盤はDVD付き、通常盤はCDのみという仕様も含めて、1st同様ですな。
アートワークはatsushiさんが担当。
抽象的ながら、なんとなく感じる禍々しさは、彼らの世界観にマッチしているのではないかと。

表題曲である「Asphalt」は、どこか神秘的で、アンセム的なイメージがあるナンバー。
前作「FENCES」がバンドサウンドメインの疾走感のあるロックチューンだったのに対して、こちらはデジタルサウンドが前に出てきたように感じました。
サビそのものはキャッチーさすらあるのですが、一筋縄ではいかないドラマティックな構成。
美しいメロディに癒されたと思えば、次のシーンでは激しくラウドに展開され、どす黒いryoさんのグロウルが待っているという。
最終的には、壮大で神聖なイメージに集約されていくのですが、その工程も楽しみたい1曲に仕上がっています。

作曲のクレジットが"atsushi & ryo"となっており、なるほど、ryoさんがコンポーズに絡んでいるのか。
DALLEにはDALLEのフィルターがあって、それぞれがまったく異なる個性を放っている。
その前提で、どことなくryoさんっぽさを感じるとでも言いましょうか。
なかなか言葉にしにくい感性的な部分なのだけれど、頭の中でそう確信してしまう。
atsushiさんが発起人であり、サウンドの中心にいるのは間違いないのだけれど、こういうところで、しっかりバンドとして機能していることがうかがえる。
メンバーの個性が融合して、バンドの個性になっていくとは、まさにこのことなのだろう。

2曲目のリミックスは、オリジナルより短めに、鍵盤の音をメインに据えて再構築したもの。
デジタル気質が強まり、ラウドな部分もそんな無機質な音楽性に包含されているあたりは、多数の要素がある楽曲のうち、ひとつの側面で切り取った面白さがありました。
やはり神秘性があるのですけれど、アンセム風の宗教的なイメージから、宇宙的な未知のイメージに変わったかな、といったところ。

断片的ではあるも、リリースが続いているのは、リスナーとしては嬉しい限り。
まとまった作品が聴きたいのも本音ではあるが、こういう現在進行形的な出し方も、ワクワク感を掻き立てるのも事実なわけで。
引き続き、この化学反応を楽しませていただきたいものです。

<過去のDALLEに関するレビュー>
FENCES EP