LooP6 / リムキャット | 安眠妨害水族館

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LooP6/リムキャット


1.エモーショナル6
2.ループオーケストラ
3.Howlin' Lie

男女混合カオティックエレクトロロックバンド、リムキャットの2nd demoCD。
ライブ会場での限定販売となっています。

作品を出すたびに、カオティックの度合いが高まり、アグレッシブさを増している彼ら。
次はどんな作品を送り込んできたのかと期待していたら、トップバッターの「エモーショナル6」を聴いて、再び度胆を抜かれました。
複雑に絡み合うデジタルサウンドに、タイトル通りのエモーショナルさで絡み合う男女のツインボーカル。
歌メロだけを切り取ればシンプルでキャッチーにも聴こえるのですが、バックのサウンドは鋭利な刃物で切り裂かれるかのような衝動性に塗れている。
これでもかと前に出てくる圧力が、音源であるにも関わらずビシビシと感じるのです。

続く「ループオーケストラ」は、メロディアスな方向も意識して。
1曲目の衝動性に驚いたところに、この切なく美しいメロディが待っているのだから、引き込まれずにはいられない。
テクノボイス風のエフェクトをかけたボーカルにより、非現実的な世界観を演出しつつ、サビではツインボーカルによる掛け合いに。
最終的には壮大に広がっていく構成は、まさに彼らの真骨頂でしょう。

「Howlin' Lie」では、エレクトロ色を強めて。
エフェクトボーカルにより、声も楽器として使われている印象ですが、歌われているメロディは相変わらずエモーショナルだから面白い。
ダンサブルなサビは単純にテンションが上がりますし、男女のボーカルの区別が曖昧になっていくあたりも、ある意味、男女ツインボーカルだからこその強みとも言えるわけで。
これぞ、リムキャットにしかできないアプローチですね。

デモ作品2枚の段階で、既に完成されてしまっているのではないか、というクオリティ。
もちろん、レクレンズ時代の基盤があるからこそではありますが、新人バンドとしての衝動性も感じられて、とても心地よいテンションが維持されている。
全国流通での正式音源のリリースが待たれますな。
入手経路が限定されてしまうのはもったいない限りですよ。

なお、このリムキャット、Vo.Gt.Prog.クマさんの扁桃炎除去手術のため、しばらくはライブ活動はないようです。
残念ではありますが、こればかりは仕方ない。
1日も早く、元気な姿で復活してくれる日を心待ちにしています。

<過去のリムキャットに関するレビュー>
Cat on the rim