9mm Go Round / マルコ | 安眠妨害水族館

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9mm Go Round/マルコ

9mm Go Round 9mm Go Round
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1. 9mm Go Round
2. 「 」不動

青春刹那系哀愁パンクユニット「ギースパープル」が、バンド編成に。
マルコとして、1stシングルをリリースしました。

Vo.礼さんは、ex-JIVE、ex-次世代エキサイト。
当時は、キリオ名義での活動でしたね。
演奏陣は、ギースパープルでサポートを務めていたツインギターと、ex-ウツセミのリズム体という編成です。

ソロユニット時代のコンセプトや、在籍していたバンドの音楽性からも推測できるように、MERRYの直系フォロワー。
哀愁メロディに、パンクのフレーズを足して。
要するに、MERRYで言うところの"レトロック"。
礼さんの歌い方も、ガラさんを意識しているところがうかがえますな。

イントロからそれっぽい「9mm Go Round」は、次々と押し寄せる展開に高揚感あり。
歌謡曲テイストが強いのですが、ウネウネとマニアックなフレーズを奏でるギターが、アングラ感を添えていく。
どの部分をとっても捨てるところがない、気合いの入った楽曲である。
物議は巻き起こりそうだが、好きな人にはたまらないであろう展開でしょう。

カップリングの『「 」不動』は、激しく畳み掛けるダークな導入から、キャッチーなサビへの切り替えがポイント。
ギャップを打ち出すことで、ストレートに突っ走るパンキッシュなサビメロが印象的になります。
あざとすぎる気もするが、1曲目が流れるような展開だったこともあり、メリハリを効かせた楽曲を持ってきたのは、バランスとしては良しと言えるか。

気を抜くと、本当にMERRYを聴いているかのような錯覚。
それを受け入れられるかどうかで評価も変わってくると思うのだけれど、前のバンドから変わらない礼さんの音楽性は、ある意味、安定感とも捉えられます。
コンポーザーは、バンドごとに異なるはずなのに、面白いものだ。

ここから、どうやって個性を出していくのかが勝負ですが、現代シーンでは、明確にどこのバンドの後追いかをコンセプト的に打ち出すのが、スタンダードとなりつつあるわけで。
個人的に、その風潮については同調しにくいのですが、マーケティングとして、バンドの知名度を高めるまでは、このスタイルを貫くというのもアリなのかもしれません。