残響 / STEREO.C.K | 安眠妨害水族館

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残響/STEREO.C.K
 

1.残響
2.Psycopath Circus

もともと、ベーシストであるkazuさんのソロプロジェクト、あるいはセッションバンドであったSTEREO.C.K。
ex-Sel'mのVo.瀬音、ex-KYOKUTOU GIRL FRIENDのDr.亜門、そして、蜉蝣時代の盟友、ユアナをギタリストに迎えて、正式バンドとして始動しました。

本作は、DVD付きとなる2ndシングル。
前作同様、会場&通販での販売となります。

表題曲である「残響」は、2分ちょっとの短い時間で突き抜ける疾走ナンバー。
V系における疾走ナンバーは、ここにメロディアスさが加わってくるのが一般的なのですが、この楽曲の場合は、ただ走り抜けただけというか、突き放して終わってしまう。
その潔さの格好良さといったら。
Aメロと、Bメロ、それだけ。
このシンプルさで、十分にシングルとしてのインパクトを誇っているから、圧巻でした。

この弦楽器コンビが演奏をしているという先入観もあるのかもしれないけれど、ほんのり蜉蝣っぽさもあるような。
瀬音さんのボーカルの刺々しさ、荒々しさ。
衝動性重視で、ツタツタと迫る亜門さんのドラミング。
これらのピースのすべてが、カミソリのような切れ味。
もちろん、kazuさんと、ユアナさんのコンビネーションも抜群です。

カップリングの「Psycopath Circus」は、一転して、ジャジーに艶っぽく。
ミディアムテンポで、大人びた雰囲気を持っています。
編成的には、ギターは1本なのですが、2本のギターを巧みに絡ませるフレーズがお洒落。
瀬音さんの声には、こういう楽曲もハマるのですな。
1曲目で、新バンドらしい勢いを見せて、2曲目で、個々の経験値の高さを見せ付ける。
実に、バランスのとれた構成でした。

前作では様子見的な側面もあったのですが、本作は衝撃的でしたね。
特に、「残響」には、ガツンとやられた。
キャッチーさは皆無なのに、ここまでの求心力。
メンバーの実績だけで、そのバンドを評価するのは嫌いなのだけれど、これはクオリティが高いと言わざるを得ません。

若干、食い足りなさが残ることが、不満と言えば不満。
はやく次の作品を!という気持ちが高まります。
願わくば、この方向性で、今度はもっとボリューム感のあるアルバム作品なんかを。