saw. / 天野攸紀 | 安眠妨害水族館

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saw./天野攸紀
ノーイメージ 
1.saw.

様々なプロジェクトで活動中の、ゆきのこと天野攸紀さんのソロCDR。
1stプレスは完売になってしまったようですが、形を変えた2ndプレスも検討中とのことです。

StrangerSaid.も、ソロプロジェクトではあるけれど、バンドサウンドにバイオリンを加えた形態。
こちらは、純粋にソロ活動ということで、弾き語りでのサウンドとなっていますな。
コーラスが入ってくる部分はあるものの、基本的には、ギター1本と歌のみで構成されている。

アコースティックギターによる弾き語り。
一言でそう形容すると、シンプルで聴きやすいというイメージもあるのだけれど、なんだかんだで、ゆきの節は健在。
どんよりと湿った空気感の中、ダウナーさを纏って淡々と歌い上げていきます。
アレンジのアプローチ方法が変わっただけで、音楽性は、これまでの活動を踏まえた、延長線上にあるものと捉えられるでしょう。

キャッチーさはなく、サビも含めて、雰囲気を作るための一連の流れといったところ。
どことなく艶かしさを感じる天野さんの歌声も、世界観を構築するひとつのパーツ。
絶妙な加減が効くソロでの活動だからこそ、このような繊細なアプローチでも、音源化しようと踏み切ることができたのかな。
スキルが高いかと問われれば、そんなことはないのだけれど、マッチしているかと問われれば、そうだとしか答えようがありません。

1曲だけ、ということで、物足りなさはある。
価格設定や、入手の容易さ、一般受けしない楽曲のタイプ等々・・・
現状では、コレクターアイテムという気質が強いでしょうか。

ただ、このアプローチで、天野さんの持つメロディセンスが、どう活かされていくのかは、もっと見てみたいですね。
なんとなく、流通作品にはならなそうな予感はしているけれど、次回作が待たれます。