Graffiti / RONDE | 安眠妨害水族館

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Graffiti/RONDE
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1. 地球樹の風に吹かれて
2. Pandemia
3. Poker

2000年にリリースされた、RONDEの1stシングル。
大阪発のソフビバンドですね。

当時、テレビへの露出が多かったPLUG RECORDSに所属していたので、1stながら、それなりに流通していたのではなかろうか。
1stアルバムを出すところまでは、それなりに勢いがあったけれど、いつの間にか解散してしまった印象。
所謂、ソフト・ヴィジュアル系のフォーマットなのだけれど、きちんと様式美が確立されていて、ライブ感よりも世界観たっぷりの歌モノを中心とした音楽性でした。

リードトラックである「地球樹の風に吹かれて」は、これぞシングル曲といった、アッパーメロディアス。
爽やかで、ポップさもあるのだけれど、どこかおとぎ話のような、異国的な雰囲気を持っています。
ツインギターの絡みによる独特のアレンジが、気持ち良く流れていくメロディに、うまくハマる。
構成もはっきりしていて、なかなか練られた楽曲ですね。

初期衝動、というと、激しく疾走感があって・・・というイメージもありますが、デモテープのリリースは既にこなしているとはいえ、CDデビューの1曲目に、これだけ落ち着いて、メジャー感すらあるナンバーを持ってこれるとは。
粗削りな部分も当然ありますが、センスが光っていました。

一方で、カップリングはインパクトが薄いかな。
ジャジーな「Pandemia」、ラテン調のイントロにドキっとさせられる「Poker」と、アプローチのバリエーションは豊富。
だけど、さすがに大人びすぎたかもしれません。
カップリングっぽいと言えば、そのとおりなのですけれど、どちらか片方くらい、もっと遊んでほしかったような。

とにかく、「地球樹の風に吹かれて」のためのCD。
カップリングが、地味すぎるのがもったいない。

この手のバンドにしては、ボーカルがこってりしているので、聴き手を選びそうではありますが、安定しているし、存在感も際立ちます。
文学的な歌詞も、楽曲とマッチ。
ソフビ好き、白系好きなら、これは十分に合格点を出せるのではないでしょうか。