P'UNK IS NOT DEAD / P'UNK~EN~CIEL | 安眠妨害水族館

安眠妨害水族館

オバンギャと初心者に優しいヴィジュアル系雑食レビューブログ

P'UNK IS NOT DEAD/P'UNK~EN~CIEL
安眠妨害水族館


1. 夏の憂鬱 [SEA IN BLOOD 2007]

2. 花葬 平成十七年

3. HEAVEN’S DRIVE 2005

4. Round and Round 2005

5. Dune 2008

6. I Wish 2007

7. Promised land 2005

8. HONEY 2007

9. Feeling Fine 2007

10. ROUTE 666 -2010-

11. milky way 2004

12. metropolis 2011


L'Arc~en~Cielの「BUTTERFLY」の限定生産盤に付属しているCD。

おまけCDでありながら、個別のアルバム名も、ジャケットも用意されているこだわりはさすがです。


Vo.T.E.Z P'UNK、Gt. HYDE P'UNK、Ba.YUKI P'UNK、Dr.KEN P'UNKという編成。

要するに、ラルクのシャッフルバンドです。

しかしながら、既存曲を、大幅にアレンジした楽曲たちは、ときに原曲以上の輝きを見せるほど、真面目に練り込まれている。

代表曲から、隠れた名曲まで、選曲も新旧バランス良く配置されていて、なかなかツボを突いていると言えるのではないでしょうか。


1曲1曲については、既にシングルで発表済み。

順番を工夫しつつも、1枚にまとめただけというところではあるため、シングルも含めて、すべて購入しているファンは、あえて限定生産盤を購入する必要はないかもしれません。

DVDを見たいか、という判断基準で良いかと。


さて、名前こそ、「パンク」と冠しておりますが、あくまで精神的なものとメンバーが語っているように、実際は、パンクだけでなく、メタルやハードロックのようなアレンジまで、激しければ何でもアリというスタンス。

パンキッシュ一辺倒ではないことで、アルバムとしてまとめられても、そこまでのごちゃつきはありませんね。

全体的には攻撃性が増しているものの、流れとしてのメリハリもしっかりあるような。

パートチェンジをしているとはいえ、さすが経験豊富な彼らです。


原曲よりもハマっているなと思うのは、「I Wish 2007」と、「milky way 2004」。

もともとは、ポップで可愛げのあるこの2曲ですが、ストレートなパンクナンバーに仕上げることで、爽快さが増した。

特に、「I Wish 2007」のコーラスワークは、パンキッシュな勢いと融合することで、掛け合いが活きる構成になりました。

どちらも、tetsuyaさんの作曲ですが、彼のポップセンス、キャッチーなメロディラインは、典型的なoiパンク的構成に、想像以上に映えるのだなぁ、と気付かされます。

艶っぽく、妖しさがあった「metropolis 2011」などは、ロックアレンジになって、わかりやすさが出てきましたね。

甲乙はつけがたいですが、カップリングで聴きにくいなと思っていた人も、新たな一面を見出すきっかけになったのではないでしょうか。


過去の曲を、大幅にいじってしまうことについては、賛否両論あろうとは思います。

しかし、これだけレベルの高い「遊び」を見せつけられてしまうと、納得せざるを得ない。

むしろ、ここまで別のものに昇華させてしまうなら、P'UNKではなく、L'Arcで演ってよ!と求めたくなるくらいです。

演奏は、tetsuyaさんのボーカルをはじめ、案外無難にこなせてはいますが、本職のパートでやったら、こんなものでは済まないだろうと。


激しくなるタイミングで、「1・2・3・4!」と掛け声をかけるのが、お約束になってしまっているのはご愛嬌。

最近のシングルでは、「P'UNK~EN~CIEL」に変わって、「L’Acoustic」がカップリングに収録されておりますが、こちらも、いつかまとめて聴かせてくれるのでしょうか。

相変わらず、企画力が衰えない、攻めの姿勢を崩さないバンドですね。


<過去のP'UNK~EN~CIEL(L'Arc~en~Ciel)に関するレビュー>

DUNE

The Best of L'Arc~en~Ciel c/w

HEART