- ルルリニア/レクレンズ
- ¥2,000
- Amazon.co.jp
1. Liner Player
2. 孤独スイッチ
3. ミュートシステム
4. オリジナリティウォーカー(Re: take Ver.)
(5. 3.71)
エレクトロヴィジュアルロックを展開する新人バンド、レクレンズ。
ex-GizeLのクマさんと、まぁさんが中心となって、2010年に結成されたばかりです。
本作は、4月11日に発売されるミニアルバム。
3月のライブから、会場で先行販売が開始されているため、ちょっぴり先取りで聴くことができました。
宇宙服のような衣装にゴーグルと、近未来的な印象を与えるヴィジュアルですが、確かに、音楽にもビシビシ、サイバーな打ち込みが取り入れられています。
テクノやダンスミュージックといった、デジタル音楽をベースに、タイトなドラムと、歌うベース、エモーショナルなギターを重ねる、ハイブリットな作風。
見た目だけだと、FLOPPYのような完全打ち込みのピコピコ系を思わせるけれど、そこは、しっかりバンド編成である意味もわかっていて、吹けば飛ぶような軽い音楽を想像していると痛い目に合いますよ。
重低音も、相応に意識されていて、バンド感も出ています。
全体的に、ポップでキャッチー。
激しい曲、切ない曲と、1曲1曲のメリハリがきちんとある中で、電子音に埋もれないメロディを持ってきているのが高評価です。
声にエフェクトをかけて、電子ボイスに加工する手法も使用しているし、きっとインストで1曲作り上げられるほど、コンポーザーのクマさんにとっては、サウンド面にも自信があるはず。
この手の音楽のバンドとしては、声も楽器と捉え、インスト的な音の重なり、雰囲気といったところを推すのか、それでも歌メロを推すのかっていうところで、迷いも生じるはずなのですが、迷いなくメロディを優先しているような潔さを感じる。
無料配布シングルだった「オリジナリティウォーカー」もリテイクされて、だいぶパワーアップしていますね。
歌い手のメリハリがはっきりしていて、デジ声と生声のギャップを楽しめるようになった。
この「ルルリニア」、表記上は4曲入りとなっていますが、実は5曲目が存在します。
歌詞カードにも、しっかり歌詞が書いてありますので、ボーナストラック的な位置づけなのでしょうか。
ほんのり切ないミディアムテンポの楽曲で、個人的には、これも含めて、ミニアルバムが完結する締めくくりの1曲という印象。
他のバンドに例えると、ゾロに近いですかね。
電子音を多用したサイバーな音楽性ながら、バンド感も失っていない。
心なしか、ボーカルさんののっぺりした歌い方も、それっぽく聞こえてきます。
逆に、がっつりピコピコ系!っていうイメージで聴いてしまうと、消化不良になってしまうかも。
この辺は好みの問題なので、自分のストライクゾーンと照らし合わせて参考にしていただければ。
もうちょっと、ボーカルにも個性が欲しい。
各メンバーのキャラ、サウンドが個性的なのに、フロントマンが平坦に歌うだけでは地味すぎるなぁ。
デジデジしている部分は、むしろ機械的な歌い方が好まれるのですが、バンドサウンドが前に出たところでの演出力に欠けてしまう。
表現しようと声色を変える努力をしているのは伝わるのだけれど、まだ、自分のモノにできていないといったところでしょうかね。
経験不足なところもあるかと思いますので、活動を重ねる中で、磨いていければ。
5月には無料ワンマンがあり、無料配布シングルの第二弾も配布開始と、攻めの姿勢を貫く彼ら。
次の展開も楽しみなバンドです。