We / SOPHIA | 安眠妨害水族館

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オバンギャと初心者に優しいヴィジュアル系雑食レビューブログ

We(初回限定盤)(DVD付)/SOPHIA
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1. 零と宇宙

2. まるごし

3. growing up

4. one summer day

5. 願いよ 届け

6. Whatever

7. sunday diary

8. brother & sister

9. game

10. エンドロール

11. ANSWER -イチバンタダシイコタエ-


松岡充のイケメンぶりは異常。

見た目も音楽性も、ヴィジュアル系のカテゴリーに入れてしまうのは忍びないんですが、彼がいるだけでヴィジュアル系が板についてしまうから不思議。


バンドは生き物。ならば、歳をとっていくものだと思います。

SOPHIAは、まさに歳をとるバンド。

若いころはヴィジュアル系っぽい曲をやりながら、途中で捻くれて、おふざけ路線にもなったりして、大人になってからは原点回帰的な曲と、今だからこそできる渋い曲とを緩急つけてやれるようになった。

そんな回り道をしているところも、人間らしくて、いちいち心に響く曲を作ってくれるのが彼ら。


この「We」は、そんなSOPHIAの原点回帰な部分と、大人になった部分のバランスが絶妙で、とても心地よく聴ける作品です。

音使いは精練されて、シンプルになっていますが、メンバーにキーボードがいる強みとでも言うべきか、要所要所で効果的なフレーズが奏でられるため、世界観がぐっと深まっている。


特に、序盤の「growing up」、「one summer day」のセツナ曲コンボがたまらない。

2曲とも、J-POPによくある、ここで泣かせるよ!的な構成のバラードではなく、淡々と言葉を紡いでいる印象で、曲としてのメリハリは少ないのですが、その流れるような美しいメロディと、そこに重なる歌詞が本当に切ない。

小手先の詩的な世界じゃなく、リアルを生き抜いて、酸いも甘いも噛み分けた年代になったからこそ説得力のある言葉。これがとにかく刺さってくる。


もちろん、「sunday diary」のような昭和歌謡風の曲も彼らには新鮮だったし、「エンドロール」は青春パンク的な勢いと親しみやすさがある。

締めるべきところは締めてくれるバラード、「ANSWER -イチバンタダシイコタエ-」も収録され、バラエティも豊か。

攻めるべきところは攻め、守るべきところは守る。そんなアルバムに仕上がっています。


都さんの健康上の都合で活動休止は、本当に残念。

世間的には旬を終えたバンドというイメージなのでしょうが、渋みを増して、個人的には近年こそ聴いてほしいバンドになっていたのですが・・・

月並みではありますが、都さんの回復、SOPHIAの復活を願います。