- AULA/ElDorado (エルドラド)
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1. Labyrinth
2. MISERY
3. 新世界
4. マキャベリズム
5. HEAVEN
6. 砂の王国
7. MISTY FOREST
8. Still I Believe
9. 幻夢葬
10. Univer
瞬介さんがお亡くなりになったというニュースが飛び込んできました。
明確なソースがない中、あれこれ推測で書くのも違いますので、ElDoradoの作品を紹介することで、想いを伝えることができれば、と思います。
本作は、現キャンゼルのGt.ルリさんが脱退し、後任のtetoraさんが加入して最初のアルバム作品。
後に、Vo.楓さんは結城に、Gt.tetoraさんはTOMOに名義を変更します。
それに伴ってメジャーデビューでも発表されるのかと期待しましたが、それは叶わず2004年に解散。
ちなみに、メンバーの名前に留まらず、バンド名の表記も変更して話題になっていましたね。
ElDoradoから、EllDoradoに改名。
「l」をひとつ増やしただけという、マイナーチェンジでした。
このバンドの魅力は、なんといってもBa.瞬介さんの作る、ヴィジュアル系の王道ど真ん中の楽曲。
bisではだいぶカジュアルなスタイルでの楽曲も生み出していましたが、この時期は本当にコテコテで、激しくて、様式美的なナンバーが中心だったのですよ。
RPGの世界から飛び出したような、ファンタジックでストリングスが効いたアレンジに、ひたすら疾走感のあるリズム。
奇をてらったバンドが増殖する中、これだけ王道で勝負しているのが、とても熱かったです。
今思うと、代表曲である「砂の王国」が６曲目に置かれているのが意外ですね。
何度かテイク違いの音源もあるし、ベスト盤も出ていますが、このアルバム以外は、だいたい最初かラストの重要な位置付け。
そんな楽曲が中盤の盛り上げ役に配置されているのだから、なんと贅沢な作品であることが伺えるでしょう。
それまでのテイクに比べて、Cメロが追加されており、これにより、曲の壮大さが増しました。
従来の、疾走感を重視したアレンジも好きだけれど、このアルバムの中だと、こっちのバージョンの方が幻想的な感じがプラスされていてマッチしているのかな。
「砂の王国」だけではなく、過去の作品やデモテープの曲もリテイクされて収録。
ラストの「Univer」も、原曲はデモテープに収録されていた「如月」です。
ひとつもったいないのは、新メンバー・tetoraさんの作曲した「Still I Believe」のサビメロが、Janne Da Arcの「ice」と酷似。
よくあるメロディと言えば、その通りなのだけれど、明らかに後発だったため、もう少し配慮はできたかな、と。
若干苦しそうな楓さんのヴォーカリゼーションはご愛敬。
楽曲のクオリティがメジャーレベルなのに、歌がちょっと追いついていないギャップも、この時代のコテコテバンドならでは。
本作からスーツが基調の衣装に変わり、ややスタイリッシュなスタイルに方向展開を図っていたものの、彼らの出自は、間違いなくヴィジュアル系でした。
今でも好きな曲が多いバンドです。
ご冥福をお祈りいたします。