(→ その1からの続き)

小高区を離れ、6号線を南下できるところまで行ってみる事にした。

このような光景は常磐線沿線のあちこちで見る事ができる。



そしてポールなしの踏切。
この辺りではこんな状態でも一時停止しないと警察に怒られるとの事。




海岸線から2キロ以上離れているこの地域をも津波は襲った。
ほとんどは片付けられたが、まだところどころにこんな光景が。




あるホームセンター。



写真左下の窓から中をのぞいてみた。



カレンダーがあの日のまま。
波がどこまで来たのかもはっきりと残っている。


国道6号線をひたすら南下する。
道中、頻繁に見かける看板。



牛!?なんで!?
他にも「獣と衝突注意!」とか「猪と衝突注意!」なんていう看板も。
そんなに多いのかな…と半信半疑でいると…



牛!
飼われていた牛が野生化したのか、それとも飼われているのかはわからなかった。


驚いていると今度はこんな看板。



除染場、ということだろうか。
奥には数人のスタッフの方がこちらを見ていた。
たまたまかも知れないがこの時間は暇そう。




そして遂に許可なしで行ける、今日現在の限界地点到達。



住所は浪江町。福島第一原発まで直線距離で約6キロ地点。
参考までにここ → https://goo.gl/maps/jra7e

意外に検問の先に行く車が多くて驚いた。

写真の中で僕に向かって駆け寄ってきたのは山形県警から派遣されてきた警察官。
今も全国の警察官が交代で福島にやってくる。
世間が忘れてもマスコミが忘れても、ちゃんとこういうところは機能しているんだな、と感心してしまった。

許可があればそのまま南下して東京まで行ける、との事だったが今日はここまで。



帰りの車中も様々な話を聞いた。
なかでもやりきれなかったのは、東電の補償に関するものだったが、いろいろ考えた結果、ここでは書かずにおこうと思う。あまりに問題が複雑すぎて整理できない。

震災や原発に関しての発言はとても難しい。
実際に現場を見ていない人に対して、言葉だけで伝えた時に誤解を与える可能性が大きいと思うからだ。


カオス。
誰も体験した事のない天災と人災は、誰も経験した事のない状況を招いた。
この先に何が待っているのか、知れば知るほど分からなくなる。


ぼーっと窓の外を見ていると、綺麗な月が出ていた。
半月が田んぼに映っている。
あんまり美しくてため息が出た。




とにかく見届けよう。
そしてそれを僕なりの言葉で誰かに伝える。

今はそれだけだ。


また来ます。