岩手県陸前高田市。
人口約24,000人のうち、死者1500名以上、行方不明者600名以上。津波により市街地はほぼ壊滅した。

3月22日の陸前高田の様子

約3ヶ月間の瓦礫の撤去作業の結果、現状はこうだ。

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驚くほど高く積み上げられた瓦礫。

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今回の震災で多くの被災地で地盤沈下が確認されたが、国土地理院の4月14日の発表によればこの陸前高田が最大(83センチ)であった。
※あくまでも国土地理院の計測地の数値によるもので実際にはその場所が土なのか?コンクリートなのか?などの条件によって沈み方には大きな差が出る。

その地盤沈下により、かつての住宅地、市街地は沼のようになっていた。
写真ではわかりづらいかも知れないが、写真の真ん中らへんに水(海水か)。それを埋め立てようということなのか、何ヶ所にも土砂が積まれている。この場所に住宅やお店、ビルが建っていたとは信じられない。

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気仙沼などでは、海岸線が大きく内陸に浸食したため「私の住んでいた場所は、今は海に沈んでしまった」という方もいた。その場合の土地の所有権はどうなってしまうのか?たとえ所有権が認められたとしても実際にはそこにまた家を建てることは出来ない。その場合の代替地は?経費を払うのは国?自治体?保険屋?それとも個人?
これから直面し、そして解決しなければならない問題は次々と出てくる。


今日のライブは3ヶ所。
コーディネートしてくれたのは、自身も気仙沼小学校で避難所生活を送るツチヤさん(女性、20代)とそのお母さん。お父さんのご実家が陸前高田にあるということもあって、幼い頃から慣れ親しんだその街にも歌を届けて欲しい、という依頼だった。

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まずは1ヶ所目「高寿園」。元々は特別養護老人ホームだが、震災後は避難所として利用されている。
震災直後はこの施設に800名が滞在し、「足を伸ばして寝れなかった」ということだったが、現在は約100名の方が元々入居されていた方々と一緒に生活している。

まずは昨日、フレスコキクチの専務さんに届けていただいたビールを差し入れ。学校施設が避難所となっている場所ではアルコール類は受け取れないとのことだが、そうではない避難所では喜ばれる。冷蔵庫に空いているスペースがあれば…だが。

玄関に入って驚いた。よく僕のライブのサイン会で見る女性がそこにいたからだ。
「私、ここで働いているんです」「え?ボランティアで?」「いいえ、元々ここの職員なんです。今日はお休みなので全ヶ所行きます」「おー、それは 助かる!手伝って!」
…ということで現地スタッフ確保!

13時。時間通りにライブスタート。
元々が老人ホームである上に、平日の昼間は多くの人が仕事に出かけたり自宅の片付けに行ったりしていて、集まってくれた方はご年配の方が多かったが、喜んでもらえたように思えた。息子か孫が来た、という感じかな。

ライブ後に写真が撮れなかったので、僕の位置から見たライブ前の客席の様子を。

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この日、この避難所の外にテレビ局クルーがいた。「え?俺の取材!?」と思ったがそうではなかった。
これはあくまでも僕の持論だが、取材、特にテレビカメラが入ると避難所ライブはその本来の役目を果たしにくくなると思う。
あり合わせの衣類で、お風呂にも自由には入れない。女性の場合はお化粧もままならないこともあるだろう。
そこをカメラで撮られる。泣いたりしたらほぼ間違いなくアップだ。それが放送されてしまうかも知れない。そんな状況で歌に集中してもらえるだろうか?

別に取材要請があったわけでもないのに先回りして書いてるのがアレですが (>_<) ちゃんと表明しておかなければ。考え方は色々あるだろうし、状況の変化に応じて僕の考えも変わっていくかも知れないから、あらためて「2011年6月10日現在の僕の持論」と断っておきます。


思いがけず現地スタッフを得て、次の会場へ。
(→その2に続く)