朝、青森を出て仙台へ。

「移動が多くて大変ですね」と言われることが多いが、1ヶ月に4000~6000キロ走るという生活を長く続けていると4時間ぐらいの移動は日常生活の一部となる。長距離トラックの運転手さんとかならわかってもらえると思う。元々「椅子の中で一番好きなのは運転席」という性格なのだ。

午後からゲストに石野田奈津代を迎えてレギュラー番組「うたのちから」収録。
シンガーソングライターである奈津代がなぜ「泥かき、瓦礫撤去」のボランティア活動を続けるのか?
テントに寝泊まりしながらすでに10日以上宮城県亘理町に滞在している奈津代にその真意をあらためて聞く。
非常に興味深い話と深みを増した生歌が聴くことができた。
僕の被災地を回りながら気がついたことも含めがっつり語っているので聞いて欲しい。
現在、Date FMは「radiko.jp」の復興支援プロジェクトとしてパソコンがあれば全国どこからでも聴くことが出来る。

「radiko.jp」復興支援プロジェクト

Date FM とFM青森にて放送。放送は6月7日(火)20:30から。


今日は1日、奈津代と、奈津代のマネージャー浦くんと3人で動くことになっている。
収録を終え、大急ぎで亘理町災害ボランティアセンターへと向かう。仙台市中心部から高速を使って「すごく急いで」1時間。
今日は全国からボランティアに参加してくれているみんなのためにミニライブをやることになっているのだ。

ゴールデンウィーク中に400名を超えていたボランティアは、現在は200名程度に減っているとのこと。
これはほとんどの人が休日や仕事の休みの合間に参加しているためだろう。

奈津代と浦くんによればボランティアに参加しているみなさんは実に様々。
2週間の長期休暇をとって参加している会社員、旦那さんの食事を1週間分作りおきしてきた主婦、そして学生。
津波で職場が流され無職となったので参加している、という地元の女性もいた。


朝8時半までにボランティアセンターに行くと、その日の求人が出ている。「体の小さな方2名。力仕事が得意な方3名」という風に。希望者が集まれば車で現場まで移動する。ほとんどの作業は床下浸水、床上浸水した民家で泥と瓦礫を片付ければ住むことが出来るような住宅で行う、とのことだった。
意外だったのは「体の小さな人」も重宝されるということ。
これは体の大きな人だと床下に潜れないからだそうで、まさに適役の奈津代は完全に「床下要員」として、毎日匍匐(ほふく)前進で作業を続けていると言うことだった。
10日も続けていると筋肉もつくようで、確かに「こういう女子の土木作業員っているな」という風情になっていた。逞しい。

そんなボランティアのみなさんの前で僕が2曲、奈津代が1曲。
これもやはり「支援する人への支援」だ。その重要さが僕の中でどんどん大きくなっている。

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(可愛い看板。サンドイッチボーイだね)

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(俺はどこにいるんだ!)

ボランティア活動に興味がある方はオフィシャルサイトで。
ブログ形式になっていて、早速そのライブの模様もアップされていた。

●亘理町災害ボランティアセンター


またしても速攻でセンターを後にし、地元の世話役的存在の斉藤さんに高速入口まで先導してもらって山形へ。


高速で「ちょっと急いで」亘理町からちょうど1時間。FM山形着。
奈津代のレギュラーに僕がゲストで出演する事になったのだ。
生放送で出演、生歌もうたったあと、翌週分を収録。

移動中の車の中で浦くんが「今、ボランティアセンターで水が足りないんです…」と話してくれたので、水分の差し入れ決定!
本当ならなるべく被災地で購入したいところだったが、夜遅くて亘理のお店はしまってるかも…ということで山形市内のディスカウントストア「カワチ」で水とアクエリアス、そして「これも喜ばれます!」と浦くんに教えてもらったカップヌードルを購入。

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こういった物資を大量購入する時には事前に「被災地に持って行くので」と伝えた方がいい。さすがに最近は「買い占めか!」と思われることは少なくなってきたが、話しておいたほうが何かとスムーズなのだ。
帰り際、お店の人が「これ、持っていって下さい」とチオビタドリンクを2箱くれた。
こういうのって嬉しいよなあ。ということで店の看板入りで1枚。

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その後、再び亘理に戻ってセンターの前に積み上げる。
浦くんが「サトルさんからだって事がわかるようにしてください」と言った。

夜中にこっそり来て物資を置いて去る。「坂本サトルより」と書き置きを残して。
…これは嫌だ。嫌すぎる!恩着せがましいにもほどがある。気持ち悪い。「伊達直人」じゃだめなの?
「誰が届けたのかわからないと安心して飲めません。被災者への支援物資と思われてあっちの体育館に運び込まれる可能性もあります。サトルさんからならみんなも喜びます」

…そうか。

でもやっぱり気持ち悪いなあ。
ということで僕はこんな書き置きを残してガムテープでとめた。

ボランティアセンターの皆さんへ。体に気を付けて。
「日、出づるところへ」事務局 発起人 坂本サトル
共同発起人 山寺宏一 参加者 石野田奈津代

これで良かったよね?

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いやー長い1日だった!


【今日使った「日、出づるところへ」寄付金】
*水…10ケース(240本)
*アクエリアス…10ケース(240本)
*カップヌードル40食
→計 ¥42,568



¥42,568 は寄付してしまえばそれほど大きな金額ではないかもしれないが、これだけの物資を買うことが出来る。しかも必要な場所に必要なものを。