おばあちゃん 。

今日は・会場へお越しいただいた

おもいで深い ひとこま 。


　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　おばあちゃん。

冷え込む夕暮れ時。

おばあちゃんは息をはぁはぁさせて

ガラスの扉からゆっくりと入ってこられました。


わたしはお客様と座って話に夢中のなか。

おばあちゃんは・左の壁の Fancy

ひとり・ひとり・を

丁寧に見上げては　うんうん　とうなずいていました。


声をかけてみると


「ジェイウェイブ聞いてね。」


マスクと眼鏡の奥から にじみでる・満面の笑顔。


「これさわれるのよね？」


おばあちゃん素晴らしい！

わたしがランジオで語らせていただいた内容を

ていねいに返していただいたのです。


「もちろんです！どうぞお触りください！」



「・・・。」


無言でうなずくおばあちゃん。


「・・・。」


目をとじてうなずくおばあちゃん。


「・・・くるわねぇ。」


目を閉じながら・わたしの方を向いて言いました。


「何か感じられますか。？ 」


そして・おばあちゃんは目を開けて


「これ 気持ちいいわね。エネルギ－がくるわね。」


おばあちゃんが触れている素材の原料は

牡蠣の殻 から作られていることをご案内しながら

会場を一緒にまわりました。


わざわざ訪ねていただいたお礼を言いますと。

１枚のしわしわの紙を見せながらおばあちゃんは言いました。


「ここの展示にいきたかったんだけど、

ラジオで言ってる場所がわからなくてね。

マンションのエレベーターで一緒になった若い女の人に

ラジオで言ってた、日本画展の話をたずねてみたの。

そうしたらね、その人が調べてポストに　

これを　入れといてくれてね。　来たの。」


笑顔で話すおばあちゃんがにぎっていた紙。

そこに記されていたものは

大きく見やすく丁寧に書かれていました。


「でも場所がわからなくて何度も同じところまわってしまったわ～」


照れながら話すおばちゃんと。

握りしめた しわしわ の メモ用紙 。


じんわり と 胸が熱くなり。

おばあちゃんのまえで 涙 が止まりませんでした。


おばあちゃんは目が悪いようなので

わたしの涙には気付くことなくニコニコしておられましたが。


ちっちゃなおばあちゃんを思わず抱きしめたくなりました。



そして

次から次へとお客様がいらっしゃったので・みなさまとお話し。


気がつくと。

おばあちゃんの姿はありませんでした。


最後にもう一度。

たくさんたくさん言いたかったです。


おばあちゃん　ありがとう 。



そして・おばあちゃんのキモチに応えて

紙に丁寧に書き起こしていただいた

まだお会いしてはいませんが・やさしい 恩人 の方へ 。


この場をおかりして お礼 申しあげます ＊









☆＝ラジオ番組　81.3 J-WAVE PODCAST 配信中

3/29(月) ～ 4/1(木)　４日間放送分

日本画の素材や 制作テーマである Fancy 誕生秘話 等
別所哲也さんと榊山敬代の対談がお聞きいただけます。

〈 POWER YOUR MORINIG Podcast 〉　　
http://www.j-wave.co.jp/original/tmr/index.htm


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