福岡Jアンクラス | さーくんブログ

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さすらい者の独り言

っていったい何のこと?と、ほとんどの方が思われるだろう。


実はサッカーのチームの名前だ。それも女子。


先日もロンドンオリンピック出場を決めたなでしこジャパンの殆どの選手が所属するリーグが


プレナスなでしこリーグ。ゆかりが無いからわかりにくいだろうから、女子版のJリーグと思って貰えばいい。


その参加チームは全部で10チームだった。だったと言うのは、この春の震災で東京電力のチームが


脱退したので、現在は9チームだ。


圧倒的に強くて有名なのが、澤や川澄など、日本代表7名と韓国代表を要する神戸。


で、広島以西、九州で唯一なでしこリーグ所属のチームが、表題の福岡Jアンクラスだ。


まだ、リーグで1勝しかしていないし、日本代表も一人もいない。


これだけ、なでしこが社会現象になっているが、ある意味それは日本代表の選手だけで、


他のチームの状況は実は以前とそう変わっていない。貧乏だし、練習環境も悪い。


先日縁あって、アンクラスの監督さんとお話しする機会があって、(美しい女性で河島さん)


練習する練習場の確保もままならないとの話を聞いた。


たまたまなのだが、私が関係している大学が昨年、周年記念事業で最新人工芝のサッカー場を作っている。


本来、部外者に練習場を貸すことは無いのだが、そこは同じ競技の熱い友情。


頼み込んで、たまたま練習場があいている日に、共同練習と言う名目で使用をお願いした。


私も頼んだ手前、練習を見学しに行ったが、練習に訪れた彼女らに驚いた。


普段よほど恵まれない環境で練習しているんであろう、最新式の練習場でテンションが高い。


嬉しくてたまらないらしい。練習に入ってからも、声が良く出てるし、真剣に球を追っている。


肌で感じた事だが、練習する事に飢えていて、練習できる喜びを真剣に球を負うことで表現している。


練習でこんなに感動する練習を見せてもらったのは初めてかも知れない。


普段からこういった恵まれた環境にいると慣れて、それが普通になるのだろうが、


彼女たちは目を輝かせて練習に取り組んでいた。


大学のサッカー部の監督も、彼女たちの真摯に練習に、サッカーと言う競技に取り組む姿勢に


心から感動したと言っていた。


プロ契約の子は誰もいない。それぞれ仕事を抱え、遠征費も手出しで、それでもサッカーに向き合っている。


こんな姿勢はたとえサッカーと言う競技に限らずとも、人として大いに見習わなければならない。


まるで疲れを知らない子供が、欲しくてたまらなかったおもちゃを与えられた時の様に


無邪気に、一心不乱にボールを追いかけていた。


純粋に、強くなってほしい、頑張って欲しいと思った。


練習の最後に、監督の誕生日が近かったのだろう、歌を唄いお祝いをしていた。


大きなプレゼントの袋はダミーで、監督の私物の横にリボンの架かった箱が置いてあった。


照れくさいのか、選手たちはそれには触れずいそいそと帰り支度を始めていた。


監督がそれに気づき、驚いて箱をあけると、箱の中には、


選手は気遣っていたのであろう。使い古して汚れた監督の練習時のサッカーシューズと、


同じものが入っていた。新品の。


こんなのはダメだ。見ていたこちらが涙が止まらない。


なんて、小粋な演出だろう。


厳しい環境にいるから靴一足の値打ちも誰よりも理解している。


きっとアルバイトで稼いだなけなしのお金を持ち寄ったのだろう。


これが本当に仲間で、好きなスポーツを、障害があってもやり通す、正しい向き合い方だ。


ブームでもなんでもない、誰に注目される訳もなくひたすらに競技に打ち込むこういった人たちが、


多くのスポーツ競技のすそ野の底辺を支えているのだ。


スポットライトは当たらないかもしれない。


けれど、そういう人たちを支えようと小さいだろうが尽力されている人間がいることも


忘れないで欲しい。


スポットライトは当たらないかもしれないと書いた。しかし、私には彼女たちが本当に眩しく見えた。


彼女たちが蹴り出すボールの行方にどんな夢が待っているのか。


ゴールのその先に想いを馳せて欲しい。


応援します!