タロット占いの問題点を考える その③ | 占星術小説家@酒井日香の占い死ね死ねブログ

その②からの続き


さて、本題に戻りタロットですが、恐らく、



「タロット占いは催眠術と同じ危険なものだ」



という認識を持っている占い師さんは多くないでしょう。



なぜなら、ここが占いを勉強したりすることの恐ろしさなのですが、

占いなどの根拠のないオカルトを勉強すると、その勉強した事実や

自分の気持ちを否定されることが怖くなって、オカルトの本以外を

読まなくなってしまうのです。



これはカルトに洗脳された人間と、まったく同じ行動様式です。



本人だけがそのことに気付けないんです。



これは私が今までお会いした、多くの占い師さんがそうでした。




オカルトを




「勉強」



などと吹聴することが、どれだけその人から知力を奪ってしまうのかということは、

以前の私の論文で指摘したとおりです。



さて、タロットがコワイな、危ないなと思うのは、

占ってもらいに来ているお客さんのみならず、

占っているほうも同時に、強い催眠状態に置かれるということです。



冒頭に掲げたタロット占いの手順①~⑥を再度、読んでみてください。



繰り返し祈ったり、念じたり、心に強く思ったりしながら、

カードを混ぜたり、並べたりするわけですが、実はこの部分で

催眠状態がお互いに出来上がってしまうんですね。



だから占い師も、自分が語る言葉で自分がマインドコントロールされていく。



たとえば「世界」のカードが出て、「明るい未来」を自分が語ったとします。

そうすると自分が口から出したその言葉は、強い思い込みとして作用して、

ちょっとしたことでもそこに結び付けて考えるようになります。




「いいカードが出たんだから、きっとうまく行くに違いない」



という心理状態を作り出すわけですが、実はこの状態、



「人格障害が発生するメカニズムと同じ」




なんですね。




こちらはまたのちほど



「メタ認知能力の重要性」




というテーマで別に語りたいと思いますが、とにかく

願望に心を集中させることは、人間の精神と体に

とってまことによくない状態を作り出します。




それで、占い師は自分で占い結果に責任を取りたくありません。



だから、自分の占い結果を強く、強く、もしかしたら

お客さん本人よりも強く



「信じたくなる」




のです。





これも、精神病の発症に関係する



「メタ認知能力」



を、大変に衰えさせる悪い精神状態です。



お客さんの苦笑を勝手に、



「感謝の笑顔」



と思いこんだり、逆に悪いカードが出て、

自分でそのことにショックを受けたりするのは、ま

さに催眠状況での特殊な認知システムが働いているからです。



平常時ならば、どんなカードが出たところで、


「こんなもの所詮はオカルトだ。何の根拠もないのだ。

気にするだけバカみたいじゃん」



と明るく思えるのに、カウンセリングと称して他人が絡んだうえに、

各種儀式手順を通過してしまったあとでは、



「このカードには何か、深い意味があるのかも知れない」



と思い込んでしまう。




だから、自分の占いで自分の精神が揺らぐんですね。






私は占い業界と10年以上付き合ってきて、

さまざまなプロ占い師を見てきました。



電話で占う人、路上で占う人、あるいは自宅で、

何らかのカウンセリングをしている人・・・。




彼らはみんな不安感に苛まれています。

人によっては占いのアルバイトのあとで、

必ず神棚に手を合わせなければいられない人、

酒を飲まなきゃ眠れない人、食欲に抑制が効かない人、

パワーストーンを握って瞑想しなければいられない人、

自傷行為に走る人などもいます。



ほぼ全員、占いカウンセリング終了後には、

自分の無意識の不安感からか、必ず自己催眠を解こうとして、

何らかの作業を行います。



みんなそうでもしないと、不安で不安で仕方がないのです。



私は自分自身が占い師をやってみて、この




「催眠状況下で襲われる自分自身の猛烈な不安感」



を、身をもって体験しましたから、だから占い師なんて

アルバイトは二度とやりたくないんです。


他の人にもやって欲しくありません。




だってこんなこと毎日やるのは、本当に生き地獄なんです。




一人占いだと、実はここまで強い催眠誘導にはならないんです。





案外お客さんのほうも、数年に1回とかで、

気まぐれで見てもらっただけのタイプであれば、




「やっぱ占いなんて、所詮はこんなもの」




と、あっさり割り切って忘れられるのです。






ただ、お客さんでもタロット中毒みたいな連中がいて、

繰り返し繰り返し占いを続けている人は、プロ占い師同様に、

強い催眠状況が日常化していて、神経症の症状を発病している

タイプもいます。




そう見ると、なにがお客を助ける、なんでしょうね??



どこが




「カウンセリング」




なんでしょう。





精神病患者を増やしているだけじゃないですか。

占いなんて。





あげくに、



「ミイラ取りがミイラ」




で、最終的には自分自身が精神疾患を煩うようになってしまう。




本当に占いなんてロクなもんじゃないんです。




それくらい、何か願いを強く意識したり、問題を問題視しすぎて

その成り行きを知りたいと思うことは、認知心理学や脳科学で

近年言われている




「メタ認知能力」




を非常に破壊します。




「メタ認知」






「メタ」



とは、




「metacognition~メタコグニション~」



の略語で、



「認知を認知する状態」



のことです。




今、脳科学の分野では、この



「認知状態を認知する人間の能力」



である



「メタ認知力」




と、幸運や成功の関係が研究されており、

人生の幸福度が高い人はこの



「メタ認知能力」



が高いのではと言われています。





要するに、自分がどういう思考のときにごまかされるのかとか、

失敗するのかということを、自分で客観視できる能力です。



何かに依存症になったり、盲目的になったり、

食べ過ぎや飲み過ぎになったりすると、本来人は自然に



「ああ、自分は今、やりすぎているな」



と認識できるものです。



その認識が、自分の行動を修正させてくれる。




ところが、人格障害者は自分を客観視することが

できません。



自分が周囲からどのように見られているのか、という

視点が、ほとんどないのです。



だから、自分の気持ちだけしか見えなくなる。




それでますます、自分が嫌われるように行動してしまう。



そういう人格障害に陥りやすい認知状態に、

占いを繰り返して行う状態というのは、

自分で追い込んでしまいやすい。




だから、占いにのめり込む人間を、社会の普通の人間は



「頭のおかしい人間」



であると、どうしたって感じてしまうんですね。。。。




自分を冷静に、客観視できてない状態なんですから。。。



よく占い師は、



「自分の鑑定で、お客さんが笑顔で帰っていった」



なんてことをいいますが、本当にお客さんが笑顔なのかどうかは、

占いをおわったあと、お客さんのその後まで見ないとわからないはずなのです。



案外占い師の前ではいい顔をしながら、占いの館を出たとたんに、

ボロカスに言うケースもたくさんあるんです。



なのに、相手が喜んでくれたと勝手に思い込むのは、

自分が行う催眠術で、自分自身がマインドコントロール

されていることのなによりの証拠です。



これが強まると、どんどん妄想性の激しい性格になっていきます。



なんでも自分の都合に沿った形で、事象全般を捉えるようになり、

周囲からするとなんとも浮世離れした、つきあいづらい、

人格障害的パーソナリティになっていくのです。




要するに、



実は占い師そのものが、

催眠術でマインドを汚染されている





ということなんです。



ここから自分のメンタルを、人間性を守るには、

タロット占い師や霊能者本人に、



「自分のしていることはただの催眠術である」



という、強い認識がなければなりません。



そうでなければ、占いをやり始めて1~2年もしないうちに、

妄想性パーソナリティ障害の兆候が現われはじめます。



ひどい場合になると、そこからうつ病にまで病状が進行したりする

ケースも多々あるのです。



私が、




「こんなものをしていたら精神病になる」



と思った理由が、おわかりいただけたでしょうか。




占いをたしなむ方に強く訴えたいのは、今はもう、

無意識だとか、シンクロニシティだとかのユング心理学は、

正当な科学とは一切認められていないのだということです。




ユングが行っていたカウンセリングは、まさに催眠術でした。



催眠状態での証言が裁判ではまったく信憑性を持たないことも、

今は当たり前の事実です。むしろ催眠術自体の危険性が叫ばれているのです。



占いや霊視が催眠術である可能性が高い以上、

それを用いるほうにも正しい心の知識が必要ではないでしょうか。




私は今まで、30回以上もプロのタロット占い師に見てもらってきました。




その全員が、私に占い手順として、カードを選ばせたり、

何回かき回してくださいとか、何かつぶやくなどの

儀式めいたことをやらせたので、私は断固としてそれに応じませんでした。



すると、タロット占い師さんはもう、自分が私の催眠誘導に

引っかかってしまって、全員まともに占いができなくなってしまうのです。



しどろもどろになって、私の顔色を伺うようになります。




逆に、タロット占い師さんの手順を素直に聞いてやると、

わが意を得たり!とばかりに、得意満面でカードを読んでくれます。




まさに、あのタロット占いの儀式めいた手順こそが、

催眠誘導の手順なのです。





また、相手に選ばせたり、祈らせたりすることは、

最終的に占い結果をお客のせいにする



「逃げ場作り」



でもあります。





「でもこのカード、あなたが選んだのよ??」



と、お客のせいにして、自分の責任を逃れたいから、

ああいう儀式手順が生まれてくるんだと思います。





私は、この世でいちばん救いようのない占い依存症患者は、

お客さんのほうじゃなくて、当の占い師なのだと確信しています。