今回、仕事を進めるにあたり、
中国に関する知識があまりに少ないことに、愕然とした。

隣国であり、歴史的にも多大な影響を受け続けてきていて、
現代生活に中国製品はじめ、中国と無関係に生きていないというのに、
その中国の現在の姿のことは、ほとんど知らないという。。。

テレビやヤフーニュースで流れる情報は、
当然ながら日本のメディアからの目線であり、
様々なフィルターがかかっている。

中国で起こっていることを、中国の人自身はどのように見ているのか、
中国人が感じるように、中国の街や社会や文化を感じれるように、
そこに少しでも近づいた状態で中国のことを計画できるように、
いくつかの書籍を手に取ってみた。
なかでも特に役立った書籍を、備忘録として簡単にまとめ。


増補版―街場の中国論(内田樹/ミシマ社)

内田樹氏の大学ゼミから生まれた素人のための素朴な中国論。
中国社会の歴史的な成り立ちというか構造をひも解いていて、
今起きている事象の根本原因を教えてくれる。
そうだったのかー、と頷くことしきり。
「日本人から見て理解できない中国も、中国人からすると合理性がある」
という仮説からの中国理解の立ち位置が、とても共感できる。

増補版 街場の中国論/内田樹

¥1,680
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ベイジン(真山仁/幻冬舎文庫)

ドラマや映画にもなった「ハゲタカ」著者による
中国における原子力発電所開発を巡るストーリー。
スピード感のあるスリリングな展開と、
小説とはいえ、綿密な取材に基づいた中国社会と原子力発電技術の詳細な解説。
建設事業と政治的駆け引きの関係がよくわかった。
(実際は、こういうことばかりとも言えないだろうけど。)
2008年の作品なのに、福島の事故を見ているかのような展開で、
原発事故で起こりうる事態は、ちゃんとわかっていた(想定外ではない)ことが、
どうやらこの本で明白になっているようだ。。。


ベイジン〈上〉 (幻冬舎文庫)/真山 仁

¥680
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ベイジン〈下〉 (幻冬舎文庫)/真山 仁

¥680
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中国新声代(ふるまいよしこ/集広舎)

香港、北京に20年以上在住のフリーライターによる、
現代中国社会のキーパーソン18名へのインタビュー集。
13億人の中のトップ中のトップの人々だけあって、
視点鋭く、個としての立ち方や大局観が半端ない。
その層の厚さたるや、、、
中国が抱える課題や興味関心がすとんと理解できた、気がする。

中国新声代(集広舎)/ふるまいよしこ

¥2,415
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忘れていけない建築関連本もいくつか。

中国歴史建築案内(楼 慶西/TOTO出版)

都市構造から郷土建築、装飾まで。
あらゆる情報が網羅されている。
まさに、中国歴史建築のいろはが学べる。
中国数千年の歴史の奥深さとその多様性を感じました。
しかし、これが現代の建築にどう活かせるのかは、、、?
日本においても同じですが、「現代の建築」を歴史的な見地から、
どう位置づけ、取り組んでいくのか、とても難しいところ。


中国歴史建築案内/楼 慶西

¥3,150
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北京論(松原弘典/リミックスポイント)

北京在住の同世代建築家著者による、
北京の街の今を10の切り口で捉えた都市案内。
発展してゆく都市ならではの活き活きと動いている場所ばかり。
行きたいところが満載。(ひとつたりとも行けてませんが。)

北京論―10の都市文化案内/松原 弘典

¥1,890
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最後に、最近刊の人気本を。

中国化する日本(興那覇潤/文藝春秋)

これはまた、衝撃的な歴史の見方に驚く本。
学校の教科書で習った常識がことごとく覆される。
今の視線で歴史を照らし出してみることが
こんなに刺激的で現代を考えるに重要な示唆を与えてくれるとは。

中国化する日本 日中「文明の衝突」一千年史/與那覇 潤

¥1,575
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最後に、時事ニュースの参考にしているサイト。

大紀元日本

人民中国