活きダコ踊り食い。 | 斉藤典子オフィシャルブログ 「Newsな日々」Powered by Ameba

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斉藤典子のNEWSな日々-活き


昨日はとある韓国料理店で活きダコの踊り食い・・・。


見えないけど、コレひとつひとつクネクネ動いてる・・・目


大好きなごま油と塩のタレで、口の中で暴れる活きダコをやっつける。笑


本当に美味しかったぁ~。


コレがあるというだけで迷わず友人とココに入った。


その位大好きで懐かしい思い出のメニュー。


21歳の夏のビターな思い出。


釜山の夜の海岸を埋めるほどの色んな食べ物を売る沢山の屋台。


その屋台で、この活きダコの踊り食いを初めて食べた。


バックパックを背負ってTシャツとショートパンツと少しのお金を詰めて、友人3人と


ソウル→光州→木浦→済州島→釜山→ソウルを歩いた1週間。


日本人の同級生の男女ふたりと、留学生で社会人でもあった人生の先輩の韓国人男性。


皆サークルの仲間。


ソウルですら日本人が目立っていた当時、喫茶店に入っても店中のお客さんが私たちを


「日本人だ・・・」と口々に振り返った。


何度となく韓国の人々の日本人に対する複雑で根深く生々しい感情にさらされた。


眠れないチェジュの夜、真夜中に泊っていた海の家を飛び出して、

あてもなく海から数ブロックしかない海岸近くの細い通りまで来たところでへたれこんでしまった。


それまでの旅で溜め込んでた感情が一気に噴き出して、道端に座り込んで涙が止まらなった夜。


田舎のさびしい蛍光灯の街灯が一つ。


見上げた空に数えきれない宝石のような星空が

こぼれおちそうに輝いていた。


あまりに美しくて悲しい空。この空を辿れば日本なんてすぐそこ・・・。


あの空をきっと一生忘れない。


ココは一番近くて一番遠い国。


もう2度とこの国には来れない・・・。


そんな諦めのような思いを抱えて旅の終盤訪れた釜山。


どこか穏やかな空気とゆったりした人と街の雰囲気が合っていたのか自然と馴染めた上、


一回くらいは贅沢しようと泊まったコモドホテルでホテルマンの優しさに俄然生き返る!笑


釜山に着いた晩、バスに乗って出かけた海岸で食べたあの時の屋台の活きダコの味が、


全身に沁みるような美味しさだったのだ。


思えばこの旅では行き当たりばったりで小さな定食屋さんや食堂で

ご飯を食べたけど、どこも驚くような美味しさで。


でもこのタコは、泣いて感情を出したことで自分なりにこの旅と、この国に何とか折り合いをつけようと覚悟みたいなものが芽生えたせいか特別印象に残っているのだ。


「もっと強くなってもっと寛大になって成長してまたこの国にきっと来る!」


そう心に誓った夜。


昨晩、その旅を共にした親友と、箸からするりと滑り落ちる活きダコを

食べながら、あの旅の懐かしさを共有。


あれから10数年経ち、エンターテインメントの交流から一気に韓国がグンっと近くなったこと。


私があの旅からずっと心から願っていたこと・・・。


そして私自身が韓国の素晴らしいアーティストの方々と仕事をさせて頂けることになろうとは・・・、


何気ない言葉のやりとりがステージ上で出来る喜びは格別なのだ・・・。


こんな日が本当に来たんだなぁと改めて感じた昨日の晩ごはん。


仕事でも、またプライベートで家族とも行くようになった韓国で、

またあの旅をもう一度同じ仲間としてみたい。