MMF消滅に想う
8月31日(水)
 野村証券のMMFが中途償還となり、日本国内からMMFが消失して24年の歴史に幕を閉じました。
 償還したほとんどの資金はMRFにシフトされるということで、大きなトラブルはないものの、預貯金より相対的に利回りが高い安全商品とされてきた証券会社の貯蓄性ファンドが、マイナス金利の影響で今や預貯金並みの短期運用すら出来なくなったことの証左です。
 マイナス金利時代が定着しても、預貯金金利はマイナスが適用されず、わずかでも付利されている現状が、マイナス金利政策でも国内預金が減らず滞留している主因でもありましょう。
 MRFも証券界の圧力で、日銀はマイナス金利適用を除外していて、これも合理性を欠いてMRFに資金が集まる流れになっているのです。思い切ってマイナス金利が深堀りされれば、こうした特例状態は金融機関側も維持出来なくなるはずです。
 我が国の預貯金絶対安全神話は堅牢です。この常識を覆すには、マイナス金利本格化で生活者が預金やMRFに置いておくことに経済的痛痒を伴う環境を創り出すしかないと小生は思っています。
 ここからお金がどーっと動き出せば、否応なく今のぬるま湯ムードは一新されるのではないでしょうか。


プライベート勉強会

9月1日(木)
 今日は四半期に一度行っている定例の金融市場懇談会で、世田谷区豪徳寺に4名のメンバーで集結しました。
 メンバーは玉川大学島教授を囲むカタチで、ナウキャスト赤井会長、バブソンキャピタル植田日本代表と小生です。
 金融のプロ中のプロで隠れた名店に集まって、味覚とお酒を楽しみながら日本の金融の在り方について議論し合う、少数精鋭のプライベート勉強会です。

 今回の豪徳寺のお店は、まさに雛にも稀な住宅街の奥地に佇む、日本では珍しいチロル料理の名店「三輪亭」です。

 メインはあつあつのチロルソーセージで、スモークされたり、チーズが混ぜられていたり、本場チロルイタリアンの味を堪能しながら、日本人の金融リテラシー向上策について語り合いました。本当にいつも勉強になる時間です。