労働組合と政党の距離感 | 労働組合ってなにするところ?

労働組合ってなにするところ?

2008年3月から2011年3月まで、労働組合専従として活動しました。
現在は現場に戻って医療労働者の端くれとして働きつつ、労働組合の活動も行なっています。

あまり知られていない労働組合の真の姿(!?)を伝えていきたいと思います。

皆さん、参院選挙の投票はもうお済みですか?

私は午後から映画を観に行く予定なので、先ほど投票を済ませてきました。

国政選挙の度にここでも書いていることかと思いますが、投票とは、最も簡単にできる政治的意思表示です。これを怠っていては、政治に対して文句を言う資格はないと私は考えています。もちろん、批判的に投票を拒否するという立場もあるでしょうが、それでは無関心で投票しない場合との区別がつきませんので、白票を投じる方が適切ではないかと思います。

ですから、政治に対して言いたいことがたくさんあるという方は、まずは投票でその意思表示をするべきだと思います。



さて。投票の呼びかけはこれくらいにして、久しぶりの「基本のキホン」で、今日は労働組合と政党の距離感について取り上げたいと思います。

選挙結果予想の記事などで、組織票の行方として当たり前のように”連合は民主党”、”全労連は共産党”、”全労協は社民党”と分類されているものが目につきますが、少なくとも全労連は団結の原則の一つとして”政党からの独立”を掲げています。

これは、新入組合員教室でも必ず説明することですが、まずは「思想・信条の自由」を守るために、労働組合が特定の政党の支持を強制しないという立場です。労働組合は労働条件をよくするという目的のために、できるだけ広範囲の労働者が団結することを目指す組織です。共通の要求を持っているのに、政治的信条の違いによって団結できないということになれば、結集力を弱めることにもなります。ですから、加入の際に政党支持を条件にしてはならないし、労働組合員の政党支持の自由も侵害しないという立場を取っています。


ですが、これは労働組合と政党が全く協力することはないという意味ではありません。労働組合は労働者の生活をよくするために個々の企業内での団体交渉を行なうと同時に、国の制度を変えたり、新たな法律をつくったりすることも目指して活動しています。そのためには、国会請願署名の紹介議員になってもらうことを国会議員に依頼するといった活動も行ない、政党の協力を求めることもあります。とは言え、その際にも、特定の政党だけと協力関係をつくって、常にその政党と方針を合わせるということではなく、それぞれの政党と一致できる要求がある場合に、その要求の実現のために協力・共同するという立場を取っています。

ですから、たとえば日本医労連は、日本の医療をよくしようということはすべての政党が言っていることですので、医療をよくすることを目的に掲げた集会を行なう際にはすべての政党に参加を呼びかけますし、国会議員への要請行動を行なう際にもすべての党派の議員を訪問します。これは、特定の政党の協力を得るだけではそれに反対する政党に阻まれ、その要求を実現することができなくなってしまうからでもあります。先の国会の動きを見てもわかるように、与党が成立させようとした法案も、必ずしもスムーズに成立してはいません。できるだけ多くの政党が賛同し、その法案が成立することが国民全体の利益となるという理解を得ることが、要求実現に向けての早道です。


以上のような点から、少なくとも全労連系の労働組合は政党からは独立した立場を守り、労働組合員の思想・信条の自由を保障しながら、一致できる要求については対等の立場で政党と協力していくということを目指しています。

ナショナルセンターの枠を越えて、一致した要求については協力していくためにも、政党から独立した労働組合をつくっていくということは重要なことではないかと思います。



2010.7.12 誤字を訂正しました。トラックバック設定をかえ忘れていたので、トラックバック可に直しました。



2010年9月16日予定の判決日まで、こちらもご支援よろしくお願いします。


緊急報告「爪ケアを考える北九州の会」からのアピール

http://ameblo.jp/sai-mido/entry-10310539150.html



2009年12月18日、第2回公判が行なわれました。「ユニオン」と「労働ニュース」アーカイブ様から新聞記事をご紹介していただきました。



毎日新聞の記事

http://fukuokaunion.blog7.fc2.com/blog-entry-5054.html



朝日新聞の記事

http://fukuokaunion.blog7.fc2.com/blog-entry-5058.html



当ブログでは、2010年6月24日に結審した際のasahi.comの記事をご紹介しています。



福岡爪ケア事件控訴審、6月24日結審(asahi.comより)

http://ameblo.jp/sai-mido/entry-10572938282.html