5.28首都圏労働者決起集会報告 | 労働組合ってなにするところ?

労働組合ってなにするところ?

2008年3月から2011年3月まで、労働組合専従として活動しました。
現在は現場に戻って医療労働者の端くれとして働きつつ、労働組合の活動も行なっています。

あまり知られていない労働組合の真の姿(!?)を伝えていきたいと思います。

さて。前のエントリーでご紹介しました「5.28首都圏労働者決起集会」に参加してきました。集会だけで帰るつもりだったのが、結局デモにも参加してきましたので、5月はこれでデモ5回です!


今日は午後5時頃まで会議があったので、会場の日比谷野外音楽堂に着いたのは開始前ギリギリの午後6時半頃でした。と言う訳で、残念ながらオープニングの荒馬座の太鼓は聴けませんでした。

主催者を代表して、大黒作治全労連議長のあいさつから集会は始まりました。大黒議長は、労働者派遣法の抜本改正や普天間基地の無条件撤去などを訴えました。



連帯あいさつでは、まず自由法曹団の方で(お名前は聞き取れませんでした。後の方々も同様なので、お名前は記載せずに団体名だけ書きます)、派遣法改正について発言されました。裁判闘争で派遣切りの当事者から聴き取った声を集めた「派遣黒書」から、派遣と偽装請負の繰り返しで7年間も夜勤労働に従事させられて体を壊してしまった女性労働者が、人間らしい働き方をしてできれば結婚して子どもも持てるようになりたいと語ったことが紹介されました。そして、現在の政府案では8割の派遣労働者が対象にならず、均等待遇も保障されず、短期間で雇い止めできるので派遣切りもなくならないという不十分なものであり、にも関わらず与党が強行採決をしようという構えであることから、朝日新聞に「与党の拙速は目に余る」と書かれるまでになっていることを紹介しました。派遣法は抜本改正が必要であり、派遣労働のひどさを当事者から聴き取るべきであり、国会へ参考人として当事者を招くように訴えました。そして、会期末まであきらめずに闘うことを表明した。

続いて、沖縄県労連の方が連帯のあいさつをされました。沖縄では日米共同発表で普天間基地の移設先が辺野古とされたことへの怒りが湧き起こっており、本日は沖縄県庁前と名護市庁舎前でも抗議集会が開かれていることが述べられました。そして、鳩山首相には失望したが、沖縄県民は絶望してはおらず、県議会は普天間即時撤去で一致し、4月25日の県民集会には9万人集まり、5月16日には1万6000人が普天間基地包囲行動を行なったことなどを挙げました。沖縄県民はもう振興策でごまかされることはなく、基地は沖縄の土地の18%を占めているが沖縄の収入の5%ほどしかもたらしていないということも指摘しました。そして、国民の力で現状を変えていこうと訴えました。

続いてのリレートークでは、まず、5月16日の全国青年大集会2010の実行委員が発言しました。実行委員会は、集会前の最低賃金調査で正社員でも最低賃金以下の仕事があることを明らかにし、大集会を成功させ、翌日には厚生労働省要請行動を行ないました。最低賃金の引き上げを要請すると、厚労省は企業に引き上げによってどのような影響があるか調査すると述べたそうです。実行委員会は、最低賃金は人間が当たり前の生活ができるかどうかが掛かっている問題であり、企業へお伺いをたてている場合ではないと訴えました。

次に、年金者組合の方が後期高齢者医療制度の即時廃止を訴えました。後期高齢者医療制度は75歳の誕生月から強制的に移行となり、家族から切り離されて単独の保険料が年金から天引きされることになるうえ、2年に1回の保険料の見直しがされ、確実に引き上げられることが指摘されました。そして、保険料を払えなかったり、窓口負担を払えなかったりして、病院にかかれなくなる人が続出していることが訴えられました。

三番手は千葉労連東葛ユニオンの方で、柏市の外国語指導助手の偽装請負問題について発言しました。当事者の方が英語で発言され、無権利、低賃金で働かされ、「代わりはいくらでもいる」と言われたことなどを告発しました。そして、日本人労働者と外国人労働者が連帯して労働者の権利を守っていこうと訴えました。

四人目は国公労連の方で、公務員バッシングと公共サービスの破壊が進められている中で、ナショナルミニマムを国が保障し、構造改革路線を転換することが必要だと訴えました。そして、元社会保険庁職員が525人解雇され、年金機構の業務が滞って苦情が続出していることから、不当解雇を撤回するように訴えました。

五人目はJMIUに加入して派遣切りの裁判闘争をしている女性が発言しました。私は人間です、でも、派遣労働者になるとモノ、雇用の調整弁とされてしまいますと述べ、派遣会社が専門26業務を偽装したうえに東京労働局に指導された後に雇い止めをしたことから、悪用されている専門26業務を「問題なし」としている派遣法改正案は認められないと訴えました。そして、25年間派遣法を使い続けてきた結果が現在の貧困であり、子ども達にこのような世界を渡す訳にはいかないと、派遣切りと闘う決意を述べました、

六人目は泉南アスベスト訴訟の弁護団の方で、5月19日の判決は50年前から危険を認識していた国の責任は二次的なものではなく一次的なものであるとした画期的な判決であり、それを踏まえて国は被害者の早期救済を行なうべきだと訴えました。訴訟団の方々は、5月20日から国の控訴断念と被害者早期救済を求める座り込みを行なっており、6月2日の控訴期限まで頑張る決意を表明しました。


そして、シュプレヒコールと閉会あいさつ、団結ガンバローを行なって集会は終了し、その後国会請願デモに出発しました。日比谷公園から出発して国会前に向かうコースで、参議院前と衆議院前で派遣法抜本改正の請願書を提出する活動を行ない、デモは午後8時過ぎに終了しました。


報告は以上です。

明日から働くもののいのちと健康を守る全国センターの中央労働安全衛生学校に参加するため、京都出張です。パソコンは持ってきますが、ネットにつなげるのは夜になると思います。



2010.5.29 追記


国会情勢報告の部分をうっかり書き忘れていました!

※印の部分の入ります。

国会情勢報告は、日本共産党の笠井衆議院議員が行ないました。

まず、本日朝に日米共同声明が発表され、普天間基地の辺野古移転、徳之島などの沖縄県外への訓練の移転の方針が示されました。これは沖縄県民の反対の意志を裏切るものです。国会では郵政法案が6時間のみの審議で強行採決されました。これは今国会で10回目の強行採決となります。衆院の厚生労働委員会では、1時間15分の審議で障害者自立支援法延命法案が強行採決され、午後からは労働者派遣法の改正案の審議が再開されました。この改正案も、当事者から「これでは派遣労働者は救われない」と批判されているものです。アメリカ、財界にものを言える政治に変えていく必要があるということを訴えて、笠井議員の国会情勢報告は締めくくられました。


2010.5.30 誤字脱字を修正しました。



こちらもよろしくお願いします。8月31日から福岡高裁で控訴審が始まりました。


緊急報告「爪ケアを考える北九州の会」からのアピール

http://ameblo.jp/sai-mido/entry-10310539150.html




12月18日、第2回公判が行なわれました。「ユニオン」と「労働ニュース」アーカイブ様から新聞記事をご紹介していただきました。



毎日新聞の記事

http://fukuokaunion.blog7.fc2.com/blog-entry-5054.html



朝日新聞の記事

http://fukuokaunion.blog7.fc2.com/blog-entry-5058.html