これまでとこれからと。 | 倉垣ノ記

倉垣ノ記

舞台芸術創造機関SAIの代表、倉垣吉宏(くらがきよしひろ)の日記。

立川談志さんが亡くなられました。






ここ、四半世紀内に活躍した天才が、今どんどん急逝されています。




押井守監督が、アニメを指して
「コピーのコピーのコピーでしかない」と、言いました。



そうなんです。


僕らは先人たちの作品に憧れ、それを模倣し、作品にしています。
どの分野でもそうでしょう。


分析と解析から、新たな技術が生まれ、やがて技術がひとり歩きし、使い手が技術で遊ぶようになると、本質が見えなくなる。




戦後から急速に伸びた日本の文化は、戦前戦後で分断されています。

僕らが、影響を受けてきた人は、戦前の空気や記憶を下敷きにして作品を提示してくれていた。



しかしこのわずか2~30年内というのは、また違うもの。



そして、この10年ぐらいの世代である僕らは、これまた僕らにしか出来ないことを、次の世代に発信しなくちゃいけない。




歴史から、何かヒントを探そうとするのも、作家の本能的な嗅覚が、そうさせているんじゃなかろうか。
そんな気がします。




演劇で言えば、青年団界隈でやっていることは、僕らがやる必要はないし、未だに民間で頑張っている新劇団のようなことも、やらなくてよい。
声優事務所やアイドル育成事務所も、違う。



アングラと呼ばれ、その単語が意味を失い飾りになっているからこそ、
僕らは今、あらためて

「アンダーグラウンド」

の意味を問い、それをアクションで示していきたい。



否定や批判はいくらでもどうぞ。




矢を受けながらも、やるべきことはあると、今は確信しています。




そう、すべては、今。



変わるなら、今。