尻魔神
東京は山手線が昨日止まったせいか
その鼓動は弱々しく
連日の雨にうたれ 滝の谷と化す
ラジコンで原発内部わずか10m見ただけで仕事した気になっている
東電の投げやりさに呆れながら
今日もいつもの電車へ
雨のせいで茹だるような熱気が人々の吐息を股間の蒸れ煙に変えている
と
相変わらずの満員電車で 何故か我 尻に違和感を覚える
湿気のせいかむず痒い
掻きたい、掻き毟りたいが それを許さぬ人の波
が
あれ? 誰かが、俺の、尻を掻いてくる
ぬ? 神か?
いや、違うな、なんか、触り方が、変だ
まるで距離感を探る様に
どこまでが許されるのか?
いけるか?いけないか?
確かに尻を掻いて掻いて掻き毟りたい我にはある意味好都合だが
しかしまさか俺の気持ちを察して
俺の為に色々犠牲にして野郎の尻を掻いてくれる尻掻き神がいるとはおもえ、、、な、、、
は?
なんだ 先ほどまでは指先で尻を掻いていただけなのに
今度は大胆にも手の平全体で誰かが我の尻を揉みしだきやがる
な、何奴? こいつは、ま、さ、か、
背後をチラ見る
歳の頃 50
身長160
体重80
脂まみれでテカテカに禿げた頭頂部
が我の尻をガン揉みしながら白目剥いている
まてよ、我を女子と間違うたか
否 ありえない 確かに尻はムチムチだがサングラスに顎髭 ガタイも奴よりデケェ
発展様か?初痴漢 初発展か?
ヤベエ 全てが初めて過ぎる
さてはて 如何いたそう
電車は一向に空かない
奴の手が我の尻をたしなめる
我別に減るもんじょねえし、でもすげー気持ち悪いし、でも一発食らわしたりしたら確実に我悪者だし、痴漢ー、て誰も信じないし、朝一だし、雨だし、まあ
兎に角 絶対絶命也
ヤベエ、、な、、、発展ハゲめが
我とりあえず持ってる傘で奴の足指先にドーン グングニルを振り下ろす
がっ! 奴の手が止まる がすぐ始まる
野郎、常習者だな
がっ! ぴた、また始まる
ならば 尻は柔らかいから楽しませるのだ と尻力マックスで尻を鋼鉄化
尻アストロン発動
岩の様にしてやった
が 奴の手が尻のえくぼ部分に
ヤベエ秘孔つかれた
力が抜ける
何奴?
奴の呼吸が荒くなる
ならばと
背中で奴の顔面を潰しにかかる
と
はむ、、
や、や、野郎、背中、甘噛みしやがった、、うええう、全身に寒気が走る
ま
じ
か
速攻背中を引き剥がす
もう、ダメだ、我、我、
全身の毛穴から怒りが迸る
ぶっ、ころ、、して、、や、、
と
急に奴の手が離れた というか
奴の気配が消える
?
と、そろそろ駅に着く電車
次の駅で降りたい人々の大移動が始まり1人のうら若い乙女が我の背後に
ばっ、と切り込んできた
乙女
ダメ 私が、許さない 私があなたを守るから
声が聞こえた気がした
発展ハゲに汚された尻を凛とした空気が包む
女神様じゃ 女神様じゃ
危うくケツ魔神と化しかけた我に
人間の尊厳をとりもどしてくれた乙女
血に染まる手前で止まった我の手は
まだどうにか音楽を作れる手でいられた
発展ハゲが乙女の背後で黒目にもどっといた
SAGGA SOLO ALBUM
BE THE CHANGE
早く聴いてもらいたい