玉置浩二のソロ第一弾のアルバムがこの『ALL I Do』

このアルバムが出された時代背景を少し…、
アイドルが全盛だった日本の音楽シーンの変革、ベストテンや夜のヒットスタジオなどの長寿音楽番組も終わりを迎える、起点がちょうどこの頃だったように思います。
ワインレッドの心から続けてヒットチャートを賑わせていた安全地帯も、少しずつ音楽性を変えていきます。
前回連載した3枚組超大作アルバム安全地帯Vについてもこのブログでは述べていますが、安全地帯自身、玉置浩二自身このアルバムをリリースした背景にはその変革の流れを彼らがいち早くキャッチしていたのかも知れません。
その頃に玉置浩二はソロとしてもデビューを果たします。シングルとしてもリリースされた、そのアルバムのタイトルナンバーについて…。


disc-7 ALL I Do


まずこの言葉の響き、言葉の意味がなんとなくブラックソウルをイメージしてしまいます。
もう少し詳しく…、


ALL I DOのサビのメロディーは、メロディーと言っていいのだろうか、同じ音を3つ続けたなんとも簡単なサビ、そして一回ずつベース音だけが下降するこの手法は当時はブラックミュージックでしかありませんでした。
サビ以降のメロディーは邦楽ですが、サビのALL I DOの音の響きは、ブラック、もっと言えば黒人御詠歌で、これをメロディーとして歌うことは、当時の日本の歌謡界から考えてもかなりの試みだったと思います。

特に日本人は日本語からも、民族性からも、いろんなことをサビで言いたくなるので、こんな簡単なメロディーではサビとして普通は成立しません。歌詞も英語しか乗らない。
とにかくブラックソウルをシングルカットで出したシンガーは日本で玉置浩二が最初だろう。


安全地帯Ⅴリリースのときに、玉置浩二自身、ブラックが好きという発言がありましたが、彼の開拓者精神の中にはVのリリースでもシンガーの部分ではまだまだ足りていなかったのだ…、

あるいは、Vリリースがこのソロデビューのきっかけではなかったか…、
このアルバムを聴くとそんな気がします。
 


この曲の中にはサビの中にオブリガード(wow wowなどのアドリブ)がありますが、彼のその迫力とその正確なボーカルに脱帽しました、ジャズの巨匠レイチャールズも生前、彼の歌声に絶賛しましたが、そのことも頷けます。


DVDドキュメント I LOVE YOUからはじめよう では開場直後、安全地帯の公演開始前の客席で玉置浩二がマイクひとつでALL I Doを歌うシーンは、ソウルに満ちています。


このアルバムはその他にもいろんなジャンルの音楽を披露しています。
玉置浩二ソロ第一弾にふさわしいアルバムと言っていいでしょう。


本日もありがとうございました。


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