<子供の発達>ゲームとの付き合い方2 | さえぐさカイロのブログ

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三枝カイロプラクティックオフィスのブログHPです

WHOが2018年に発表した疾病の分類に

「ゲーム症」というカテゴリーを採用しました。

以前からゲームが脳に与える悪影響については言われてきましたが、

今後は病院でゲーム外来ができたりゲーム抑制剤が処方されたりする

なんて時代が来るかもしれません。

また、先日中国では18歳未満のネットゲームを1日90分(休日は3時間)に規制する

という報道がありました。

ゲームに対する危機感は中国政府でも持っているということです。

 

さえぐさカイロでは発達に関連した症状で多くのお子さんを診ていますが、

ゲームばかりに没頭してしまってやるべきことが出来なくなっている、

というお母さんからのうったえが非常に多いです。

発達に凸凹があるとよりゲームに依存的になる可能性もあります。

前頭前野の機能が弱いと長期的な目標を立て

それに向かって積み重ねることが出来なくなります。

そのような子供は少しずつ自分が成長をすることで満足感をえる代わりに

お手軽にゲームで満足感を得ようとするのかもしれません。

行動を抑制できない右脳の機能低下も関係していると思います。

 

脳には感受性期というものがあり、その部位ごとにその時期は違います。

前頭前野では14~16歳ごろがその時期にあたり、発達に重要な時期です。

また、脳が大人のレベルに達するまでには25年以上かかるといわれています。

そう考えるとゲームは大人になってからの嗜み(たしなみ)というぐらい

が丁度いいのではないでしょうか。

 

脳のバランスが調整されるとゲームにのめり込まなくなることもありますが、

一般的にゲームの誘惑は非常に強力です。

ネットゲームでは仲間同士で遊ぶため自分だけ抜けにくいこともありますし、

友達をゲームに誘うと自分に特典がある場合もあるようです。

ロールプレイングゲームによくあるレベルが上がった時になるチャイムひとつ取っても

脳を気持ちよくさせる作用があるといいます。

おそらくゲーム開発者たちはどのようにゲームを作れば

ドーパミンのような脳内の報酬系が働くかを研究し、

あの手この手でゲームに依存的になるような細工をしているのでしょう。

 

ゲームはたいてい夜遅くにやるというパターンが多く、

それは睡眠サイクルが後ろにずれることによって朝が起きられなくなり、

昼間はボーっとして勉強に集中が出来なくなります。

そして夜になると元気が出て、またゲームをするという悪循環のできあがりです。

この状態になるとホメオスタシスや情動をつかさどる大脳辺縁系が大きく乱れ、

人間らしい生活が送れなくなるのです。

 

小さなお子さんをお持ちの親はそのような危険性を理解して

子どもがゲームとどう付き合っていけばいいのか考えてもらいたいです。

ただやるなと叱ったり子供に任せっぱなしにしていては

多くの子どもたちがゲームに依存的になってしまいます。

そうならないためには子供が様々な経験に触れる機会を増やし

どんなことに興味を示すかを注意深く見極める必要があると思います。

そうすれば様々な楽しみの中で未来への可能性を広げられると思うのです。

 

テレビやネットのゲームだけがゲームではありません。

ゲームは人と人が実際に関わり、身体を使い、駆け引きを楽しむ。

参加しているメンバーに合わせて新たなルールを整えたり、

全く新しいゲームを創造したりする。

そんな人と関わる遊び方(ゲーム)をする中で社会性や想像力が育つと思います。

その第一歩が親子の遊びにあると思うのです。

親も想像力を働かせて大いに子供と遊びましょう!

 

「パパ見て~」と自分で考えた遊びを披露!