「日本人はエコノミック・アニマル」と日本の高度成長時代に言われたことを知らない日本人はいないのではないでしょうか。この言葉は、辞書によると「経済的利潤の追求を第一として活動する人を批判した語」とされています。日本人に関して、昭和40年(1965年)にパキスタンのブット外相が日本の経済進出のあり方について言った言葉です。この言葉は、日本の学校の教科書でも見たことがあります。

 
しかし、私が二十年以上アメリカに住んでいて、こう言った英語表現はアメリカでもヨーロッパでもアジアでも、一度も誰からも聞いたことがないのです。そもそも、人間を「動物」に喩えるというのは、裏に人種差別が隠されています。こう言った言葉を、有色人種であるパキスタン人が同じ有色人種である日本人に向かって言うこと自体が、何かキナ臭いものを感じるのです。この言葉が、英語圏では誰も使っていないことを考えると、これがプロパガンダであり、捏造された表現であることがわかるのです。
 
何のために? 経済成長する日本人を貶め、罪悪感を植えつけ、自己イメージを損なうためでしょうか。
 
元外交官の方が「エコノミック・アニマルは褒め言葉だった」という本を書いていますが、バカバカしくで呆れます。これが、褒め言葉である可能性は100%ありません。
英語の「アニマル」といえば、動物です。英語でアニマルといえば、「野獣」という意味です。ですから、人間を「アニマル」と呼ぶときは、侮蔑しています。日常的には、「精力が強い、性欲が強い」という意味でも使われます。イギリス人のベッカムは、以前、「俺はベッドの上では、アニマルだ」と公言していました。とにかく、この言葉は人間と動物の間にはっきりとした境界線を引く西欧文化では、「人間以下」とか「野蛮な」という意味が込められています。ですから、訳すと「猛烈に金儲けする野獣」という意味です。褒め言葉に解釈したい気持ちは分かりますが、このようなニュアンスは残念ながら一切ありません。

以前、アメリカが日本叩きをする理由として、戦勝国である自分たちよりも、日本人が金持ちになるのは許せない、という意識があることについて書きました。
 
こう言った捏造された日本人への貶めをありがたく教科書や資料などに載せて、何度もなんども噛みしめる必要はないです。